滋賀県のクリニックで初のAI電話導入。時間外対応加算の算定にもつながった ─ リウマチ科みやもとでのAI電話活用事例

2026/10/16

リウマチ科みやもと 院長 宮本様にインタビューを行いました。

本記事は、インタビュー映像の文字起こし記事です。動画版はこちら。

※以下敬称略とさせていただきます


リウマチ科みやもと

滋賀県長浜市に位置する、リウマチ診療を専門とするクリニックです。2022年に開院し、専門医・認定医として、より質の高いリウマチ・膠原病・骨粗しょう症診療を行っています。また、「どこにいても、専門医療の安心を。」をビジョンとして掲げています。

リウマチ科みやもと

“固定電話への転送はなし。優先順位を見てコールバック”

─AI電話の活用状況・対応体制を教えてください。

宮本:電話の体制ですけれども、完全にそのAI電話に置き換わっているわけですが、固定電話への転送等はもうない形で、AI電話に入電された内容を優先順位を見た上で、こちらからコールバック、これはショートメールも含めてさせていただいていると。

電話の対応というのは、1名の時もありますし、3名いる時もあります。

リウマチ科みやもと 院長 宮本様が話すシーン

リウマチ科みやもと 院長 宮本様

“ほとんどが緊急性のない予約変更。そこに時間を割かれ診療が滞っていた”

─AI電話導入のきっかけを教えてください。

宮本:電話はですね、ほとんどが緊急性のない電話なんですね。 我々も1ヶ月ほどデータを取ってみました。 果たしてこれは患者さんから、あるいは患者さん以外の方からも電話がかかってきますけれども、本当にクリニックにとって重要なのかどうかっていう、重要軸で考えた時に、ほとんどが予約の変更なんですね。

それらって全然急ぐ必要のないものですから、そこに時間を割いてしまって、目の前の患者さん対応がおろそかになっているという。 (電話で)長々と話す方をこちらから話を切るっていうのができないわけなので、その結果、目の前におられる患者さんの、例えば受付業務がこれが遅くなったりですとか、会計が遅くなったり、そういう支障が出ている。 つまりそこがストップすると、今度診療側も滞ってしまいますね。

患者さんのカルテが回ってくるのが遅くなる。 もう全てがこれ、一つのこの動線の中で動いていることなので、そこの現状をなんとか見直したいという、まさにこう切なる思いがありまして、(AI電話の)導入を積極的に考えたということです。

リウマチ科みやもと オフィス

“電話を取らなあかんという常識を打ち破りたかった”

─導入の決め手を教えてください。

宮本:インスピレーションですね。 「これイケる」っていう、まず(AI電話が)受けてくれるんであれば、そこでいきなり(電話を)取らないといけないっていう、そこをまず省けると。

そもそも電話取らなあかんっていう、それ自体、その常識を僕は打ち破りたいと思って、「あ、これちょっとやってみよう」と。 AI電話って病院さんはちょこちょこ(導入)増えてるかもしれませんけど、クリニックさんってなかなかなくて、滋賀県内では一番(導入第1号)ということもあります。

“通常の電話が患者さんにどう影響しているか、マクロな視点を伝える”

─患者様の納得を高める「導入目的」の伝え方を教えてください。

宮本:得体の知れないものって、まず拒否反応が始まるんですよ、人って。 「なんやこれ」「なんでこんなもん入れてるんや」っていう、そういう拒否ですよね。 で、その槍のような拒否に対して、通常の電話によって患者さんにどういう影響が出ているのかっていうマクロな視点をしっかりお伝えすることが大事かなというふうに思いました。

患者さんがかける側でいると、「なんで(電話)取らへんのや」っていうことにはなるんですけど、仮に院内にいて会計を待ってるとか、受付を待っている時に他の方から電話がかかってきた、それで待たされたっていうことになった時に、それは反応が変わるはずなんですね。

“伝え方にこだわらないでいい。気持ちは伝わっているから”

─AI電話に不安を感じる患者様との向き合い方を教えてください。

宮本:うまく(AI電話を)使いこなす方っていうのは、本当に我々もありがたくて、「スムーズに入れてくださってるな」っていうのは感じますよね。 一方で、そうでない方もおられて、AI電話が苦手で40分ぐらい車でかけて来る人もいるんです。 まず「何が苦手ですか?」って僕は伺ったんですよね。

苦手苦手って仰るんですけど、「ちゃんと自分の言いたいことが入ってるかどうかがわからんっていうのが苦手」って言われる。 その患者さんが"なぜ電話しようと思ったのか"っていうところを見てるんで、その伝え方を僕は評価してるわけではない。 ですので、「そういう苦手意識って全く必要なくて、とりあえず言ってもらえれば、緊急性があればすぐ折り返しますし、そうでない予約の変更とかであれば、患者さんの診察の合間で時間がある時に折り返します」と。 「気持ちは伝わってるから、やり方にこだわらないでください」っていうのは言いました。 ちょっと涙目になりながら理解してくれはったんですよ。

リウマチ科みやもと 院長 宮本様 システム入力中

“自宅でもパソコンはオープンに。こまめな返信が患者様の安心につながる”

─24時間365日対応を可能にする仕組みを教えてください。

宮本:主に院外ということになると、自宅が多いかもしれませんが、自宅にいてもパソコンはオープンにはしてますので、こまめに入電がないかをチェックしています。 明らかに体調の変化、発熱、高熱が出たりとか、そういうタイミングでこれ「薬をどうしたらいいですか?」っていうような問いかけに関しては、即ショートメールで返すのか、電話をかけるのか、そういう形にはしてますね。

例えば、この長期の連休、ゴールデンウィークとか年末年始とか、そういった時でも、いつ電話かけてくださってもいいので、24時間、365日ですから、私も特別な用がない限り、こまめに返信することによって患者さんの安心にもつながるというふうには思ってます。 返信自体が別に面倒くさいとも思いませんし、それも覚悟の一つですよね。 時間外の時にでもそういう返信をするっていう、それだけの覚悟を持ってない人はできないでしょうけど、医者ならできるんじゃないかと思ってます。

“時間外対応加算の存在を知らずに導入。AI電話があったからこそ取れた”

─時間外対応加算取得の背景を教えてください。

宮本:私の施設が(AI電話)導入したのは昨年(2025年)の8月ですかね。 その時も時間外対応加算のことを知っていれば導入できたと思うんですけど、そこの知識がなくて、やってるうちに「これだけ夜間とかも電話対応してるし、休日もやってるし、なんか方法ないかな」っていうので調べたら、そういう加算があるってのを初めてそこで知ったと。

「じゃあそれを取ろう」っていうので、1月からっていうところですよね。このAI電話があるからこそ加算が取れたということはもうはっきり言えますよね。

“高齢の方や緊急性の高い場合は電話、それ以外は基本ショートメール”

─SMSと折返し電話の使い分けを教えてください。

宮本:基本的にはSMSを使います。どういう時に電話でかけるかっていうことですけど、相手がこのショートメール苦手だろうなと思われるような、まあ高齢の方ですと、基本的に電話ですね。

あと、よっぽど緊急性の高い体調の大きな変化で、これは直接声を聞きながら確認すべきだっていう場合も電話ですね。 大きくその二つだと思います。それ以外は基本的にショートメールですね。

リウマチ科みやもと 院長 宮本様 仕事中

“優先順位づけは専門知識が必要。だから自分で采配する”

─患者を待たせない診察の合間で行う優先順位判断を教えてください。

宮本:電話に関しても、僕は受付に置いてないんです。 診察の後ろにパソコン置いてるんです。 僕が全部確認します。 ファーストで。入電した瞬間に優先順位をつけます。 ショートメールも診察の合間に基本的に全部やっちゃいます。 電話でこれ緊急性があって、僕は診察しないとダメ。そういう場合に、まあ看護師にこれ任したりとかっていう采配をもう自分でやってます。 なぜそういうふうにしてるかっていうと、これも明確に目的があって、当初は受付側に置いてたんですよ。

その方が診察に集中できるのでいいと思ったんですね。 ただ、何が起こったかっていうと、受付側はですね、入電があったら即返さないといけないっていう、今までの電話と同じ対応をしちゃって、パッと来たからパッと返す。

結局そうするとAI電話を導入したメリットっていうのがなくなっちゃうんですね。 そこでバタバタしちゃうんで、これはいかんなと。 これ優先順位って専門知識もいるわけですから、スタッフにはできない。 僕に聞かないといけない。 その報連相にも時間がかかるっていうこともあって、僕は自分でそこの采配をするっていうことに変えました。

リウマチ科みやもと 院長 宮本様 が仕事している

“現状把握と、何を大事にしているかが明確であること。あったかい目で見てほしい”

─導入を検討されている施設様へメッセージをお願いします。

宮本:何に困ってるのかっていう現状把握がしっかりできてるかどうかです。 かつ、何を大事にしてるのかっていうところが明確でないと多分ダメだと思うんですよね。 我々やっぱり時間をどう使うかです。 で、同じ時間でも使い方一つで、やっぱり患者さん幸せにできるできない絶対あるので、いいパートナーになるというふうには思っているので、現にこの一年の間でも徐々に改善されてる部分もありますから、まずもうあったかい目で見ることが大事かなと思いますね。 完璧なものってあるわけないじゃないですか。

けど、AIで発展はするから、今文句言ってることは1年後ある程度解消されてるの決まってると。 だから僕はもうさっさと導入したらいいと思ってます(笑)。 世の中のクリニックの人にはそう言いたいとは思いますけど。

─本日ありがとうございました。

インタビュー動画はこちら

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