

はじめに
看護師の皆さん、日々のお仕事本当にお疲れさまです。患者さんの命と健康を守る大切な仕事でありながら、日々の業務に追われ、心身ともに疲弊している方も少なくないでしょう。厚生労働省の調査によると、看護師業務のうち時間内の約30%、時間外の約40%が記録業務に費やされています。この膨大な記録業務や多忙な情報共有に追われ、「もっと患者さんと向き合う時間が欲しい」と感じることはありませんか?
実は、こうした課題を解決する大きなカギが医療ITにあります。デジタル化と聞くと難しく感じるかもしれませんが、ITは看護師の働き方を根本から変え、本来の仕事である「患者看護」に集中できる環境を整えてくれる心強い味方なのです。
業務過多とストレスの根本原因を考える
まず、なぜ看護師の皆さんがそこまで忙しいのか、その根本的な原因を考えてみましょう。
1.慢性的な人手不足と業務の属人化
多くの医療機関で、人手不足は深刻な問題です。少ない人数で多くの患者さんを診るため、一人あたりの負担が増加します。さらに、申し送りや情報共有が口頭中心だったり、特定の人にしか分からないやり方が残っていたりすると、業務は属人化し、スムーズな連携が難しくなります。
2.膨大な記録業務とアナログな情報共有
紙のカルテや手書き記録は時間がかかるうえ、必要な情報を探すのに手間がかかり、転記ミスのリスクもあります。記録が終わったと思えば、次は申し送りやカンファレンスが待っている。この一連の作業が、多くの残業を生み出す一因となっているのです。
3.多職種連携におけるコミュニケーションの課題
医師や薬剤師、リハビリスタッフなど、他職種との連携は患者さんの治療に不可欠です。しかし、情報共有がスムーズにいかないと、確認や調整に多くの時間を費やしてしまいます。連絡の行き違いやタイムラグが、業務の効率を妨げるだけでなく、大きな業務ストレスにも繋がります。
医療ITがもたらす「時間の余裕」
これらの課題を解決するために、医療ITはどのような役割を果たすのでしょうか。
1.記録業務を効率化するモバイル端末と電子カルテ
多くの医療機関で導入が進んでいる電子カルテは、看護師の働き方を大きく変えました。モバイル端末を活用すれば、患者さんのベッドサイドで直接情報を入力できます。その場で正確な記録が残せるため、病棟に戻ってから手書きのメモを転記する手間が省け、業務過多の軽減に繋がります。実際に導入施設からは「記録時間が短縮され、その分患者と向き合う時間が増えた」という声が多く聞かれます。
2.リアルタイムな情報共有で業務をスムーズに
電子カルテや院内専用のチャットツールを導入することで、情報共有は格段にスムーズになります。申し送りも、口頭だけでなく文字情報として残すことができ、後から確認することも可能です。
3.働き方改革を進めるためのIT化の第一歩
IT化は、単なる業務の効率化にとどまりません。蓄積されたデータを分析することで、業務内容を見直し、より効率的な働き方改革を推進するための客観的な根拠となります。例えば、特定の時間帯に記録業務が集中していることがわかれば、業務フローを改善するヒントになります。
面会の差し込み業務にも潜む「見えない残業」
ここまで、電子カルテや院内チャットといった医療ITが、いかに看護師の働き方を変えるかについてお話ししてきました。しかし、日々の業務負担を考えると、まだ見過ごせない課題が残っています。その一つが、面会の差し込み業務です。
業務中断によるストレスは複数の研究でも報告されており、「面会者対応のたびに、スムーズに進んでいた作業が中断され、集中力が途切れてしまう」という声が印象に残っています。この「小さな中断」の積み重ねが、業務効率を大きく低下させ、心理的ストレスにもつながります。
では、この面会の差し込み業務を、ITの力でどう改善できるのでしょうか。
1.オンラインの面会受付システムで受付対応を削減
ご家族がスマートフォンやPCから簡単に面会登録できるオンラインシステムを導入すれば、受付の負担は大幅に軽減されます。予定や空き枠はシステム上で即座に確認でき、管理も自動化されるため、調整作業に追われる必要はありません。こうして生まれた余裕の時間を、看護師は患者ケアにしっかりと充てることができます。
2.情報を一元管理し、スムーズな情報共有を実現
面会に関する情報を紙のメモや口頭で共有している場合、確認のたびに手間が生じます。ITツールを活用すれば、面会の予定や申し送りを一元管理できます。ご家族から問い合わせがあった際も、すぐにシステム上で確認し、正確な情報を伝えることができます。
3.誰でも使えるシンプルさが重要
面会管理のシステムは、操作がシンプルで誰でも直感的に使えるものが理想です。導入後もスムーズに運用するためには、複雑なマニュアルがなくてもすぐに使えるデザインが重要になります。

「患者に向き合う時間」を創出するITの力
医療ITの導入は、看護師の業務内容をどう変え、ひいてはどのような未来をもたらすのでしょうか。
1.IT化で変わる看護師の役割
ITツールが記録や情報共有といったルーチンワークを肩代わりしてくれることで、看護師は本来の専門的な仕事に集中できます。それは、患者さんのケア、ご家族への説明、病棟内での教育・指導などです。これまで「やらなければいけないこと」に追われていた時間が、「やりたかったこと」に変わる。これは、看護師の仕事の働きやすさそのものに直結する変化だと言えるでしょう。
2.医療の質の向上と患者満足度の向上
看護師が患者さん一人ひとりと丁寧に向き合う時間が増えれば、些細な変化にも気づきやすくなります。それは、医療の質の向上に繋がり、患者さんの満足度を高めることにも繋がります。患者さんにとっても、忙しそうな看護師に遠慮することなく、安心して相談できる環境は非常に大きなメリットです。
3.ITを導入した医療現場で働くことの魅力
IT化が進んだ医療現場は、新しい働き方の選択肢を提供します。業務の効率化は、残業時間の削減やワークライフバランスの改善に直結し、看護師として長くキャリアを続ける上で大きな魅力となります。

まとめ
医療ITは、看護師の働き方改革を後押しする強力なツールです。煩雑なルーチンワークを効率化することで、業務ストレスを軽減し、看護師が本来のやりがいである「患者に向き合う時間」を創出します。
中でも、面会の差し込み業務のような一見些細な業務を効率化することは、見過ごされがちながらも非常に重要な要素だと私は考えています。こうした小さな改善が積み重なることで、大きな変化を生み出し、看護師の皆さんがより働きやすさを感じられる医療現場へと繋がっていくはずです。
テクノロジーは、医療現場の働きやすさを実現し、ひいては医療全体の質の向上に貢献します。これからさらに進化するであろう医療ITを味方につけ、看護師の皆さんがより豊かに、そして働きやすさを感じられるよう、共に医療現場の未来を切り拓いていけたらと思います。
[出典元]
好事例集‐厚生労働省

Dr.JOY株式会社 スマート面会事業部 カスタマーサクセス
須磨
このライターの記事一覧






