【看護師向け】忙しい現場でもできる!情報セキュリティの基本と実践

2025/9/17

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はじめに:日々の業務と切り離せない情報セキュリティ

医療の現場、特に最前線で患者さんと向き合う看護師の皆さんは、常に時間に追われ、多岐にわたる業務をこなされています。患者さんのケア、バイタルサインのチェック、記録、多職種との連携…挙げればきりがありません。そんな目まぐるしい日々の中で、「情報セキュリティ」と聞いて、「それは私たちの仕事なの?」「IT部門がやることじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、システム全体のセキュリティ対策は専門部署の役割です。しかし、私たちが日々触れる患者さんの情報、扱う医療機器や情報端末は、実は情報セキュリティの最前線そのものなのです。パスワードの管理一つをとっても、電子カルテの画面ロックを忘れただけでも、情報漏洩につながるリスクはゼロではありません。

患者さんの命を預かるのと同様に、機微な個人情報を適切に管理し、守ることは、プロフェッショナルである看護師にとって避けて通れない重要な責任です。情報セキュリティは、単なるITの専門知識ではなく、患者さんとの信頼関係を築き、より質の高い看護を提供するための基盤と言えるでしょう。

この記事では、忙しい看護師の皆さんが、日々の業務の中で無理なく実践できる情報セキュリティの基本的なポイントに焦点を当てて解説します。難しい専門用語は避け、具体的なシーンを想像しながら読み進めていただけるように心がけました。一緒に、情報セキュリティを「自分ごと」として捉え、安全な医療環境を守る一歩を踏み出しましょう。



なぜ今、看護師の情報セキュリティが重要なのか?


医療の世界では、患者さんの氏名、住所、生年月日といった基本情報はもちろん、病歴、診断名、治療内容、検査結果など、非常にデリケートでプライバシー性の高い情報を取り扱います。これらの情報は、本来、許可された目的以外で利用されたり、外部に漏洩したりしてはならないものです。もし情報漏洩が発生すれば、患者さんのプライバシーが侵害されるだけでなく、医療機関全体の信用失墜につながり、ひいては医療提供体制そのものに影響を及ぼしかねません。

特に近年、医療DXが進み、電子カルテの普及やモバイル端末の活用、遠隔医療の導入など、情報のデジタル化・ネットワーク化が急速に進んでいます。これにより、情報の利便性は飛躍的に向上しましたが、同時に新たなセキュリティリスクも生まれています。インターネット経由での不正アクセス、ランサムウェアによるシステム停止、そしてヒューマンエラーによる情報漏洩など、リスクは多様化・巧妙化しています。

こうした状況下で、患者さんの最も身近にいて、日常的に多様な情報に触れる看護師の皆さんの情報セキュリティ意識と実践が、医療機関全体のセキュリティレベルを左右すると言っても過言ではありません。個人情報保護法や、厚生労働省が発行している『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』など、法令や規範でも医療情報の適切な管理が強く求められており、これは看護師一人ひとりにも関わることです。情報セキュリティを守ることは、単にルールだから従う、ということではなく、患者さんへの最大の配慮であり、自らの専門性を守ることでもあるのです。



あなたのすぐそばに潜む情報セキュリティリスク


「自分は大丈夫」「そんな大げさな」と思われるかもしれませんが、実は情報セキュリティのリスクは、日々の「うっかり」や「つい」といった行動の中に潜んでいます。忙しい看護師の皆さんが、特に注意しておきたい身近なリスクを見てみましょう。


1.ちょっとした不注意が招くリスク(端末の紛失・置き忘れ、画面の覗き見など)

業務で使用するスマートフォンやタブレット端末、あるいは記録用のノートパソコンなどを、休憩中や移動中にどこかに置き忘れてしまった…ヒヤリとした経験はありませんか? もしロックをかけていない端末を紛失した場合、中に保存されている患者情報が第三者の手に渡ってしまう可能性があります。また、スタッフルームや共有スペースで、端末の画面に患者さんの名前や病名が表示されたままになっているのを、関係者以外の人が見てしまう「ショルダーハック(覗き見)」のリスクもゼロではありません。

2.危険なパスワード管理(使い回し、付箋にメモなど)

複数のシステムで同じパスワードを使い回す、覚えやすい簡単なパスワードを設定する、さらにはパスワードを付箋に書いてPCのモニターに貼っておく…これらは非常に危険な行為です。パスワードが一つ破られると、他のシステムも芋づる式に不正アクセスされるリスクが高まります。パスワードは、個人情報やシステムを守る「鍵」です。その管理がおろそかでは、どんな強固なセキュリティシステムも意味をなしません。

3.うっかりクリック!?不審なメールやサイト

業務用のメールアドレスに、「重要なお知らせ」「セキュリティ警告」といった件名で、身に覚えのないメールが届くことがあります。巧妙な手口のフィッシング詐欺メールかもしれません。安易に添付ファイルを開いたり、本文中のリンクをクリックしたりすると、マルウェアに感染したり、個人情報を抜き取られたりする可能性があります。「送信元が不審」「内容に違和感がある」といった場合は、すぐに開かずに周囲に相談することが重要です。


4.SNS利用の落とし穴


プライベートでSNSを利用している方も多いと思いますが、うっかり医療現場で知り得た情報(患者さんの個人が特定できる情報や、病院の内部情報など)を書き込んでしまうことは絶対にあってはなりません。また、制服を着たままプライベートな写真や動画をアップする際も、背景に写り込んだ情報などから病院や個人が特定されるリスクがないか注意が必要です。良かれと思って医療に関する情報を発信する際も、信頼できる情報に基づいているか、プライバシー侵害にならないかなど、細心の注意が求められます。



5.離席時のPCや端末のロック、できていますか?


席を立つ際に、使用していたPCや端末の画面ロックをかけずにそのままにしていませんか? 短時間だから、大丈夫だろうと思いがちですが、その隙に第三者に操作されたり、情報を盗み見られたりする可能性があります。特に、患者さんの情報が表示されたままの画面を放置することは、前述の覗き見のリスクを高めます。離席時には必ず画面ロックをする習慣をつけましょう。



忙しい現場でも「これならできる!」基本的な対策


「リスクは分かったけど、忙しくて対策なんてする時間がない…」と感じられたかもしれません。しかし、情報セキュリティ対策は、難しいことばかりではありません。日々の業務に無理なく組み込める、基本的な対策から始めてみましょう。


1.基本中の基本!パスワードはこう管理しよう

まず、システムごとに異なるパスワードを設定することを強く推奨します。そして、誕生日や「password」のような推測されやすいものは避け、英数字記号を組み合わせた、ある程度の長さのあるパスワードを設定しましょう。全てのパスワードを覚えるのは大変ですから、安全なパスワード管理ツールを活用したり、信頼できる方法でメモを管理したりすることも検討できます(ただし、端末の近くに貼り付けるのは絶対に避けましょう)。定期的にパスワードを変更することもセキュリティ強化につながります。


2.端末の正しい扱い方と管理方法

業務用の端末には、必ず画面ロックを設定しましょう。指紋認証や顔認証、PINコードなど、すぐにロック解除できる方法であれば、忙しい時でも負担になりにくいです。端末から離れる際は、たとえ短時間でも必ず画面ロックをする習慣をつけましょう。また、端末を安全に持ち運ぶ、管理する場所を決めるなど、紛失・盗難のリスクを減らす工夫も重要です。万が一、端末を紛失・盗難にあった場合は、速やかに管理者に報告し、遠隔ロックなどの対策を講じてもらうようにしましょう。


3.「あれ?」と思ったら立ち止まる勇気(不審なメールや要求への対応)

不審なメールや、通常と異なるシステムからの警告メッセージ、あるいは電話での個人情報に関する問い合わせなどを受けた際は、「これはいつもと違うな」と感じたら、すぐにその場で対応せず、一度立ち止まって考えることが重要です。メールの送信元アドレスをよく確認したり、正規の手順でシステムにログインし直したり、信頼できる上司や担当部署に相談したりする習慣をつけましょう。安易なクリックや情報提供が、大きな被害につながることを忘れないでください。近年は、AI技術を悪用し、より本物と見分けがつきにくい巧妙なフィッシング詐欺メールも確認されています。内容が自然であったり、知人や取引先を装ったりするケースも増えています。件名や送信元アドレスだけでなく、メール本文の内容に少しでも違和感がないか、常に注意を払うことが大切です。


4.安全な情報共有のために(口頭、記録、持ち出しなど)


患者さんの情報を同僚と共有する際は、周囲に第三者がいないか、声の大きさは適切かなど、プライバシーに配慮しましょう。記録媒体(紙媒体含む)の持ち出しルールは厳守し、不要になった記録はシュレッダーにかけるなど、安全な方法で処分しましょう。電子的な情報共有ツールを使用する場合は、正規のツールであるか、アクセス権限は適切かなどを確認することも大切です。


5.離席時はワンアクションで!画面ロックの習慣化


繰り返しになりますが、離席時の画面ロックは最も手軽で効果的なセキュリティ対策の一つです。PCであればWindowsキー+Lキーなど、多くの端末で簡単に画面ロックができるショートカットキーが設定されています。これを習慣づけてしまえば、忙しい中でも負担なく実行できます。「ちょっとだけだから」という油断が、リスクを高めることを心に留めておきましょう。




セキュリティ意識を「続ける」ためのヒント


情報セキュリティ対策は、一度やれば終わり、というものではありません。常に変化するリスクに対応するためには、意識を持ち続けることが大切です。

毎日の業務の中で、情報セキュリティを意識するタイミングを決めておくのはいかがでしょうか。「記録を終えたら画面ロック」「休憩前に端末の位置を確認」など、特定の行動と紐づけることで、習慣化しやすくなるかもしれません。

また、一人で抱え込まず、疑問に思ったり、不安を感じたりしたことは、すぐに職場のセキュリティ担当者や管理者、あるいはIT部門に相談しましょう。組織としてのサポート体制を活用することが、安心して働くためにも重要です。同僚とセキュリティに関する情報を共有したり、お互いに声掛けをしたりすることも、チーム全体のセキュリティ意識向上につながります。



【管理者・IT担当者向け】看護師のセキュリティ対策をサポートするために

この記事は主に看護師の皆さんに向けて書かれていますが、医療機関の管理者やIT担当者の皆様にも少し触れたいと思います。看護師の皆さんが、日々の業務に追われる中で情報セキュリティを意識し、実践するためには、組織としての理解とサポートが不可欠です。

例えば、使いやすく、セキュリティ強度も保てる情報共有ツールの導入、定期的な、かつ現場の状況に即した実践的な研修の実施、そして何よりも、疑問や不安を気軽に相談できる風通しの良い組織文化の醸成などが挙げられます。現場の「なぜ」「どうすれば」に寄り添い、共に解決していく姿勢が、組織全体のセキュリティレベルを引き上げることにつながると、私は考えます。



まとめ:情報セキュリティは、より良い看護につながる


情報セキュリティと聞くと、難しそう、面倒くさい、といったネガティブなイメージを持たれがちかもしれません。しかし、情報セキュリティは、患者さんの大切な情報を守り、患者さんとの信頼関係を維持し、そして私たち自身が安心して働くために不可欠なものです。そしてこれは、質の高い、より良い看護を提供することに直結していると私は信じています。

今日ご紹介した対策は、どれも特別な知識や技術が必要なものではありません。日々の業務の中で、少しだけ「情報セキュリティ」を意識する。その小さな一歩から、安全な医療環境を守る大きな力となります。忙しい中でも、「これならできる」というものから、ぜひ実践していただければと思います。


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