その業務、本当に医師がやるべき? タスクシフト導入で広がる可能性 

2025/5/14

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はじめに

近年、「医師の働き方改革」が医療現場の重要なテーマとして取り上げられています。長時間労働や過密スケジュール、さらには事務作業の増加により、多くの医師が疲弊し、医療サービスの質や患者安全に悪影響を及ぼすリスクが指摘されてきました。

そのような中で注目されているのが「タスクシフト」という考え方です。医師が担ってきた業務を見直し、一部を他職種へ移管することで医師の負担を軽減し、より効率的かつ質の高い医療を実現する取り組みが広がっています。

今回は、このタスクシフトの基本的な概念から具体的な事例、導入にあたっての注意点まで、詳しく紹介していきましょう。


タスクシフトとは?

タスクシフト(Task Shift)とは、医療行為や関連業務の一部を本来の担当者(多くは医師)から別の職種(看護師や薬剤師、医療事務など)へ“シフト”させることを指します。

もともとは、医師不足が深刻化した国や地域で、限られた医療資源を有効活用するために始まった概念といわれます。近年の日本でも高齢化による医療ニーズの増大、医師の長時間労働是正、医療の質・安全性の確保といった課題を背景に、タスクシフトの重要性が改めて注目されるようになりました。


タスクシェアとの違い

よく似た言葉に「タスクシェア(Task Share)」があります。タスクシェアは、特定の業務を丸ごと移管するのではなく、担当者同士が業務を共有しながら連携して進める手法を指すことが多いです。

一方、タスクシフトは業務の範囲と責任を明確に切り分けて移管するケースが中心です。医師の負担を削減し、かつ他職種の専門性を高める取り組みとしては、まずはタスクシフトが実行しやすい切り口となるでしょう。


医師の負担増を背景に、タスクシフトの必要性が加速

1.なぜ医師の業務は増えているのか

日本の医療現場では、患者数の増加や診療報酬制度の変更、より詳細な記録義務が課せられるようになったことなどが複合的に影響し、医師の業務量は肥大化してきました。

外来診療や手術、当直といった本来の医師業務に加えて、医療文書の作成やレセプト処理、院内会議への参加など、事務作業等も数多く含まれています。

労働環境に関する統計を見ると、たとえば2016年に厚生労働省が公表した「医師・歯科医師・薬剤師統計」では、病院勤務医の約4割が週60時間以上働いているとの推計値があります。

最新の調査では数値が異なる報告もありますが、いずれにしても過度な時間外労働が問題になっていることは変わりません。

こうした慢性的な過重労働は医師の健康を損なうだけでなく、医療提供体制の維持にも支障を来たす可能性があります。

こうした状況を打開する手段として、保健師助産師看護師法の改正(特定行為研修制度)や、2024年4月から適用された医師の時間外労働上限規制などの制度整備により、タスクシフトが推進される流れが生まれているのです。


タスクシフトが叶える“本来の診療”への集中

タスクシフトを導入する最大のメリットは、医師が本来やるべき業務(診断や治療の計画、合併症のマネジメントなど)に集中できるようになることです。

例えば、検査の一部やデータ入力、患者への服薬指導などを他の専門職に任せることで、医師はより高度な医療行為に時間とエネルギーを割けます。その結果、医療の質や患者満足度を維持・向上しつつ、医師のバーンアウトを防ぐ効果も期待できるでしょう。


タスクシフトの具体例

1. 看護師への業務移管

  • 検査手技の一部移管

  • 入院患者の経過観察の強化

2. 薬剤師への業務移管

  • 処方内容の最終チェックと疑義照会

  • 服薬指導の拡充

3. 医療事務スタッフへの業務移管

  • 医師事務作業補助者によるカルテ入力

  • レセプトや診断書のドラフト作成

  • 勤務シフトの作成


タスクシフト導入を成功させるポイント

1. 業務範囲のルール整備と法令遵守

「どの行為を誰が担当できるのか?」を法的観点から明確にすることが不可欠です。医療関連の業務範囲には法律やガイドラインで定めがあり、違反があれば医療安全を脅かすだけでなく、施設としての信頼が損なわれるリスクも否めません。

事前に職種ごとの業務範囲をしっかり整理し、職員へ周知徹底させることが大事です。

2. 教育・研修体制の充実

新たな業務を担うスタッフに対しては、必要な知識や技術を身につけるための研修が欠かせません。

たとえば、看護師が点滴の調整や各種検査を行うのであれば、手技のやり方だけでなく、緊急時の対応や医師への報告タイミングなどを徹底的に学ぶ必要があります。定期的な勉強会やOJTを継続し、スタッフのスキルアップをサポートしましょう。

3. チームコミュニケーションの強化

タスクシフトを行うことで、医師と他職種との連携シーンが増えます。患者情報や作業進捗をリアルタイムで共有するためには、カンファレンスの活用やオンラインツールの導入など、コミュニケーションの場をしっかり確保することが欠かせません。

誰がどの業務を担当し、どのタイミングで医師へ報告をあげるのかを可視化できれば、混乱を防ぎ、チーム医療の質を高めることにつながります。


タスクシフトをさらに活用するための仕組みづくり

タスクシフトを導入する医療機関が増える中で、業務全体を俯瞰し、効率的に運用するためのITツールやサービスが充実しつつあります。

たとえば、スタッフ全員の勤怠管理やシフト管理、コミュニケーションを一元化できるシステムを取り入れれば、誰がいつどの業務を担当するのかがわかりやすくなり、タスクシフトによる混乱を最小限に抑えられるでしょう。

1.勤怠管理・シフト管理のポイント

  • 適切な人員配置
    タスクシフトを進めるにあたっては、スタッフのスキルや資格の有無に応じた柔軟な人員配置が重要です。勤怠管理システムと連動するシフト管理機能を使えば、どの時間帯にどの職種がどれだけ必要なのかを可視化しやすくなります。

  • 残業時間の可視化
    医師だけでなく、看護師や薬剤師、事務スタッフの残業時間もしっかり把握することで、スタッフ全体の負担を公平に分散できます。過度な業務負担が生じていないかを常にチェックし、業務振り分けを見直す仕組みを整えましょう。

2.サービスを活用して働き方改革を前進させる

タスクシフトの導入と同時に、勤怠管理やシフト管理を含め、院内コミュニケーションの円滑化をサポートするシステムを活用することで、働き方改革はよりスムーズに進むはずです。たとえば、以下のような機能を備えたサービスを導入する医療機関が増えています。

  • スタッフの勤務時間や休暇申請を一元管理できる

  • リアルタイムでシフト調整が行える

  • 業務連絡や患者情報の共有を安全に行うチャット機能がある

  • 勤怠データやシフト実績を分析し、改善提案に役立てられる

このようなシステムを検討される際は、導入事例や実際の運用状況を参考にするのが良いでしょう。たとえば、Dr.JOYの勤怠管理機能は、医療現場に特化したシステムとなっているため、医師や看護師のシフト管理に悩んでいる場合や、これからタスクシフトを本格的に進めたいと考えている場合などに、参考になる情報が得られるかもしれません。


タスクシフトが切り開く医療の未来

タスクシフトは、医師にかかる過剰な負担を軽減するだけではなく、他職種の専門性やモチベーションを高め、チーム医療をより強固にする可能性を秘めています。

医師が診療や治療計画の立案に集中できる環境をつくることで、結果的に患者満足度が向上し、さらに医療従事者同士の信頼関係が深まっていくでしょう。

もちろん、導入には法令の順守やスタッフ教育などの準備が欠かせませんが、すでにタスクシフトを実践している施設では、医師の残業時間削減と医療サービスの質の維持・向上が両立できている事例も増えています。

「その業務は本当に医師がやるべきなのか?」と改めて考えることは、医師本人はもちろん、院内スタッフ一人ひとりが自らの役割を再確認する契機にもなるはずです。

タスクシフトを通じて、医療現場全体の働き方改革が加速し、ひいては持続可能な医療提供体制につながっていくことが期待されます。


まとめ

医師の働き方改革の要ともいえる「タスクシフト」。本来の医療行為に集中できる環境づくりを後押しし、チーム医療の力を最大限に引き出すには、現状の業務フローやスタッフの役割分担を見直すことが重要です。

さらに、勤怠管理やコミュニケーションをスムーズにするツールを活用することで、一人ひとりの負荷を減らし、質の高い医療を持続的に提供できる体制づくりをめざしてみてはいかがでしょうか。


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