オンライン診療の未来とその壁:普及の鍵と克服すべき課題

2026/2/24

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はじめに 

近年、オンライン診療(遠隔診療)が急速に普及しています。新型コロナウイルスの流行時に、一時的な特例措置としてオンライン診療の初診が例外的に認められたことを契機に、多くの医療機関が導入を加速させました。ただし、この特例措置は2024年3月末で終了しており、現在は原則として初診は対面診療が求められています。

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンを使い、リアルタイムのビデオ通話を介して医師の診察を受ける仕組みです。厚生労働省の指針でも、オンライン診療は「医師と患者が対面せずに、情報通信機器を用いて行う診療」と定義され、必要に応じて対面診療と組み合わせる形で利用されます。

コロナ禍を経て、オンライン診療を届け出ている医療機関は2021年末時点で全体の約15.5%に達し、2023年10月には1万施設を超えるまで増加しています(厚生労働省調べ)。今後も医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、オンライン診療の活用はさらに広がると期待されています。


オンライン診療のメリット

1.患者の利便性向上

最大のメリットは、患者が通院する必要がないことです。

  • 移動や待ち時間の短縮
    交通費や移動時間がかからないため、高齢者や体が不自由な方、小さな子どもを抱える家庭にとって大きな助けとなります。また、診察室での待ち時間が減ることで、患者の負担やストレスの軽減にもつながります。

  • 遠隔地・離島・在宅医療への対応
    これまで医療機関へのアクセスが困難だった地域でも、オンライン診療を活用することで適切な医療を受けられるようになりました。特に、在宅療養をしている高齢者や障害者にとって、医師の診察を手軽に受けられる点は大きな利点です。

2.医療機関側のメリット

  • 診療の効率化と時間管理の最適化
    短時間で済むフォローアップ診療や薬の処方などは、オンライン診療を活用することで効率的に対応できます。医師と患者のスケジュール管理がしやすくなり、診療全体の流れを最適化できるメリットがあります。

  • 医療リソースの有効活用
    一部の診療をオンラインに移行することで、対面診療が必要な患者により多くの時間を割くことが可能になります。特に、慢性疾患の管理や軽症患者のフォローアップをオンライン化することで、医療機関全体の業務負担を軽減できます。

  • 感染症リスクの低減
    院内での対面機会を減らし、患者同士が接触するリスクを低減できるため、新型コロナウイルスをはじめとする感染症対策にも有効です。


オンライン診療の課題

1.診察の限界

オンライン診療は、リアルタイムのビデオ通話を用いるのが原則とされていますが、視診や問診だけでは診断が難しい症状もあります。触診や聴診が行えないため、発熱や腹痛などの症状がある場合は対面診療が必要になるケースが少なくありません。また、外科的な処置や緊急性の高い疾患に対しては、オンライン診療だけでは対応できないのが現状です。

2.診療報酬・制度上の課題

日本では、オンライン診療に関する診療報酬のルールが厳格に定められています。2025年現在のガイドラインによると、オンラインで初診を行うことは原則禁止であり、慢性疾患の経過観察や、過去に対面診療を受けた患者の再診など、一定の要件を満たす場合にのみ利用が認められています。

  • 診療報酬の評価拡充
    2022年(令和4年度)診療報酬改定でオンライン診療に関する評価体系が見直され、さらに2024年(令和6年度)の診療報酬改定でも、慢性疾患や遠隔支援におけるオンライン診療への加算が拡充されました。ただし、初診は原則として対面が求められることや、医師が事前研修を受講する必要があるなど、遵守すべき要件は依然として多く存在します。

3.IT環境の格差

オンライン診療では、患者側もインターネット環境やスマートフォン・PCの操作が必要です。高齢者やデジタル機器の操作が苦手な方にとっては利用が難しい場合があり、地域の通信環境によっては映像や音声の途切れが生じることも課題です。

4.プライバシー・セキュリティの問題

医療データは非常に機密性が高いため、オンライン診療でも個人情報保護セキュリティ対策が不可欠です。患者や医師がプライベートな場所で診療を行い、暗号化通信を利用した安全なシステムを選択するなど、適切な運用を行わないと情報漏洩リスクが高まります。


対面診療との使い分けと今後の展望

1.オンラインと対面のハイブリッド診療の重要性

オンライン診療は便利ですが、すべての診療をオンラインで完結させることは難しく、対面と組み合わせたハイブリッド診療が現実的な選択肢となります。例えば、初診は対面で行い、経過観察や処方はオンラインで対応するなど、患者の症状や状態に合わせた柔軟な活用が求められます。

2.日本における今後の普及の方向性

医療DXが進む中、オンライン診療の規制緩和や診療報酬のさらなる見直しが行われれば、導入する医療機関は今後も増加傾向が続くと考えられます。高齢化が進む日本においては、在宅療養や遠隔地域での医療アクセス向上が喫緊の課題であり、オンライン診療はその解決策の一つとなるでしょう。


まとめ 

オンライン診療は法整備や技術の進歩により、今後もさらに拡大し、より多くの人が安心・安全に利用できるようになると期待されています。加えて、患者の利便性向上、医療機関の業務効率化、感染症リスクの低減など多くのメリットをもたらすでしょう。一方で、診療の限界や診療報酬制度の複雑さ、IT環境の整備不足といった課題も残されています。

2024年の診療報酬改定ではオンライン診療の評価が拡充されたものの、初診は原則対面というルールや、医師側の研修受講義務など一定のハードルは維持されています。こうしたルールを遵守しつつ、ハイブリッド診療を上手に活用することで、患者・医療機関にとっても最適な形の医療サービスを提供していきましょう。



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