「こんなはずじゃなかった!」を回避!電子薬歴・調剤システム導入後のトラブル&要望対応術

2025/5/19

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はじめに:「便利」なはずのシステムが「悩みの種」になっていませんか?

医療現場のDX推進が叫ばれる昨今、電子薬歴や調剤システムの導入は、業務効率化や医療の質向上に欠かせないステップとなりつつありますね。ペーパーレス化による情報共有の迅速化、薬剤情報の正確な管理、そして対物業務から対人業務へのシフト…。導入前は、そんな輝かしい未来を思い描いていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ導入してみると、「操作が複雑で逆に時間がかかる」「トラブルが起きた時の対応が遅い」「欲しい機能がない、または使わない機能ばかりで…」といった声が聞かれることも少なくありません。「便利になるはずだったのに、なんだか前より大変になった気がする…」そんな経験、もしかしたらあなたにも心当たりがあるかもしれません。

この記事では、電子薬歴・調剤システムの導入で「こんなはずじゃなかった!」という事態を避けるために、システム選びの段階から、導入後のトラブル対応、そしてベンダーへの賢い要望の伝え方まで、具体的なポイントを「対応術」としてご紹介したいと思います。これから導入を検討されている方はもちろん、すでに導入済みで悩みを抱えている方にも、きっとヒントが見つかるはずです。




システム選びでの「落とし穴」:先輩たちの失敗談から学ぶ

新しいシステムを選ぶ際、つい機能の多さや目新しさに目が行きがちですが、そこには思わぬ「落とし穴」が潜んでいることがあります。実際にシステムを導入したものの、後悔している…というケースも残念ながら存在します。ここでは、よくある失敗パターンをいくつか見ていきましょう。

1. 「多機能=良い」とは限らない?現場フィット感の見極め

最新機能が満載のシステムは魅力的ですが、その全てがあなたの現場で本当に必要でしょうか?「あれもこれもできる」という謳い文句に惹かれて導入したものの、実際に使う機能はごく一部。「多機能な分、操作画面が複雑で、かえって使いにくい…」なんてことも。大切なのは、日々の業務フローにスムーズに組み込めるか、スタッフが直感的に操作できるか、という「現場フィット感」を見極めることだと思います。デモンストレーションの際に、実際に使うであろうスタッフにも同席してもらい、意見を聞くのがおすすめです。


2. 「安い!」だけで飛びつくと…サポート体制の重要性

導入コストは重要な選定基準の一つですが、価格だけで決めてしまうのは少し危険かもしれません。システムは導入して終わりではなく、むしろそこからがスタートです。日々の運用の中で、疑問点やトラブルは必ず発生するもの。「サポートに電話してもなかなかつながらない」「メールの返信が数日後…」では、業務が滞ってしまいますよね。サポートの受付時間、対応スピード、対応範囲(どこまで無償で、どこから有償かなど)を事前にしっかり確認しておくことが、後々の安心につながります。安価なプランには、サポートが限定的というケースも少なくないようです。


3. データ移行、実はここが肝心だった!

既存システムからのデータ移行は、導入プロジェクトの中でも特に神経を使う作業の一つです。「ベンダーにお任せで大丈夫だろう」と思っていたら、想定外の工数や費用が発生したり、移行データの精度に問題が出たりすることも。移行対象のデータ範囲、データのクリーニング作業の要否、移行スケジュール、そして費用負担について、事前にベンダーと詳細な打ち合わせを行い、書面で確認しておくことが重要です。ここを曖昧にしておくと、導入直後から混乱が生じる可能性があります。


4. ベンダーとの「相性」も意外と大事?

システムは導入後もアップデートや機能改善が続きます。つまり、ベンダーとは長い付き合いになるわけです。こちらの要望に真摯に耳を傾けてくれるか、トラブル時に親身に対応してくれるか、将来的な展望を共有できるか。機能や価格だけでなく、そうした「相性」や「信頼関係」も、実は重要な要素だと感じています。複数のベンダーと話をする中で、コミュニケーションの取りやすさなども比較検討してみると良いでしょう。




後悔しないためのチェックリスト:導入前にここだけは押さえたい!

失敗談を踏まえ、後悔しないシステム選びのために、導入前にチェックしておきたい具体的な項目をリストアップしました。ぜひ参考にしてみてください。


1. 私たちの現場に必要な機能は?優先順位をつけよう

まずは、現場の業務を洗い出し、「絶対に譲れない機能(Must)」と「あったら嬉しい機能(Want)」を明確にしましょう。関係者で意見を出し合い、優先順位をつけることで、システム選定の軸がブレにくくなります。


2. デモやトライアルで「実際に使ってみる」意義

カタログや説明だけでは分からない使用感を確かめるために、デモンストレーションは必須です。可能であれば、一定期間のトライアル(試用)を依頼し、実際の業務に近い形で複数のスタッフが触ってみることを強くおすすめします。操作感、レスポンス速度、画面の見やすさなどを肌で感じることができます。


3. トラブル時の駆け込み寺!サポート範囲とスピード感

前述の通り、サポート体制は重要です。電話、メール、リモートサポートなど、どのような窓口があるか。受付時間はいつか。平均的なレスポンスタイムはどれくらいか。ソフトウェアのアップデートは無償か。具体的な状況を想定して、詳細を確認しましょう。


4. 最新の法規制やセキュリティ基準に対応してる?

特に注意すべきは、2025年3月31日が電子処方箋の経過措置期限、2025年9月30日が電子カルテ情報共有サービスの経過措置期限となっています。医療DX推進体制整備加算の要件を満たすためには、これらの期限内に対応を完了させる必要があります。個人情報保護法の医療分野への適用や、厚生労働省の『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』など、医療情報を扱う上で遵守すべき具体的な法規制を理解し、システムがこれらに準拠しているか確認することが重要です。医療従事者には患者の医療情報の秘密を守る法的義務があることを念頭に置きましょう。ベンダーにも対応状況を確認し、必要であれば資料などを提示してもらいましょう。


5. 今使っているあのシステムとも連携できる?

レセコンや電子カルテ、オーダリングシステムなど、すでに院内や薬局内で稼働している他のシステムとの連携が可能かどうかも重要なポイントです。連携によって、データ入力の二度手間を防いだり、よりスムーズな情報共有が実現したりします。連携実績や連携方法、費用などを確認しましょう。




スムーズな導入は「準備」が9割!現場を巻き込むコツ

いよいよシステム導入!しかし、ここでも油断は禁物です。導入をスムーズに進め、現場スタッフに快く受け入れてもらうためには、事前の「準備」が何よりも大切だと感じます。


1. 無理のないスケジュールと役割分担

導入作業は思った以上に時間がかかるものです。通常業務と並行して行うことを考慮し、現実的で余裕を持ったスケジュールを立てましょう。また、院内・薬局内での導入推進担当者、ベンダーとの連絡窓口、各部門のキーパーソンなどを明確にし、それぞれの役割分担を決めておくことで、プロジェクトがスムーズに進みます。


2. 「やらされ感」をなくす!スタッフ研修と情報共有

新しいシステムに対する現場スタッフの不安や抵抗感を和らげるためには、丁寧な情報共有と研修が不可欠です。「なぜこのシステムを導入するのか」「導入によってどんなメリットがあるのか」を繰り返し伝え、導入目的への理解と協力を得ることが大切です。「トップダウンで決まったから」という「やらされ感」ではなく、「みんなでより良くしていくための取り組みだ」と感じてもらえるような働きかけが重要ですね。研修も、一方的な説明だけでなく、実際に操作する時間を十分に確保し、質問しやすい雰囲気を作ることを心がけましょう。


3. 導入初期の「つまずき」をフォローする体制

どんなに準備をしても、導入直後は操作ミスや不明点が出てくるものです。そんな時に、気軽に質問できる経験者や担当者が近くにいる、あるいはすぐに相談できる体制があると、現場の不安は大きく軽減されます。導入初期の一定期間は、重点的なサポート体制を敷くなどの配慮も有効でしょう。




まさかのトラブル発生!冷静に対応するための3ステップ

システムを使っていれば、予期せぬトラブルはどうしても起こり得ます。「画面が固まった!」「データが保存できない!」そんな時、焦ってしまいますよね。でも、慌てず冷静に対応することが、迅速な解決への近道です。


1. 状況把握:「いつ・どこで・誰が・何を・どうなった」を正確に

まずは落ち着いて、状況を整理しましょう。「いつから?」「どのパソコン(端末)で?」「誰が操作していて?」「どんな操作をしたら?」「どのようなエラーメッセージが出たか?」「再起動など、試したことはあるか?」といった情報を、できるだけ具体的に把握します。エラーメッセージが表示されている場合は、スクリーンショットを撮ったり、メモを取ったりしておくと、後で正確に伝えられます。


2. 効果的な連絡術:ベンダーに伝わる情報のまとめ方

ステップ1で整理した情報を、ベンダーのサポート窓口に連絡します。口頭だけでなく、メールなど記録に残る形での連絡も有効です。伝える際は、感情的にならず、客観的な事実を簡潔に伝えることを心がけましょう。「とにかく動かないんです!」だけでは、ベンダーも原因究明に時間がかかってしまいます。具体的な状況説明が、早期解決につながります。

3. 「言った言わない」を防ぐ記録のすすめ

トラブルの内容、ベンダーへの連絡日時、担当者名、対応内容、解決までの経緯などを記録として残しておくことをお勧めします。これは、同様のトラブルが再発した場合の参考になるだけでなく、万が一、対応について後々確認が必要になった際の「言った言わない」を防ぐためにも役立ちます。




もっと使いやすく!ベンダーに「なるほど」と思わせる要望の伝え方

システムを長く使っていると、「もっとこうだったらいいのに」「こんな機能があったら便利なのに」といった要望が出てくるのは自然なことです。こうした現場の声をベンダーに的確に伝えることは、システムをより良く育てていく上で非常に重要です。


1. 「困っていること」+「こうなったら嬉しい」をセットで

単に「この機能が使いにくい」と伝えるだけでなく、「〇〇の操作に時間がかかって困っている。もし△△のような機能があれば、□□分短縮できると思う」というように、具体的な「困りごと」と「期待する改善後の姿(嬉しいこと)」をセットで伝えると、ベンダーも要望の背景や重要性を理解しやすくなります。


2. 要望の背景や目的を添えると説得力アップ

なぜその機能が必要なのか、それによってどのような業務改善やメリットが見込めるのか、といった背景や目的を具体的に説明できると、要望の説得力が増します。「多くのスタッフが同じ点で不便を感じている」「この改善により、患者さんへの〇〇といったサービス向上が期待できる」といった情報も有効です。


3. 機能改善だけじゃない?日々のフィードバックも大切に

大きな機能改善要望だけでなく、「ここのボタンの色が分かりにくい」「エラーメッセージの意味が理解しづらい」といった小さな気づきも、積極的にフィードバックしてみましょう。日々の小さな改善提案が、システムの使いやすさを着実に向上させていくこともあります。


4. 良好な関係が「声」を届きやすくする

結局のところ、ベンダーも人です。普段から良好なコミュニケーションを心がけ、感謝の気持ちを伝えたり、建設的な意見交換をしたりすることで、信頼関係が深まります。そうした良い関係性は、いざという時の要望やトラブル対応においても、きっとプラスに働くはずです。要望を伝える際も、「クレーム」としてではなく、「一緒にシステムを良くしていきたい」という前向きな姿勢で臨むことが大切だと感じています。




おわりに:システムは育てていくもの。ベンダーと良い関係を築くために

電子薬歴・調剤システムは、導入して終わりではありません。日々の業務の中で活用し、時にはトラブルに見舞われ、改善要望を伝えながら、自院・自局にとって最適な形に「育てていく」ものと言えるでしょう。

そのためには、システムそのものの機能や性能はもちろんのこと、信頼できるサポート体制、そして良好なコミュニケーションが取れるベンダーとのパートナーシップが不可欠です。今回ご紹介したポイントが、皆さまの賢いシステム選びと、導入後のより良い運用の一助となれば幸いです。




【関連情報】院内・薬局内のセキュリティ強化と効率化を考えるなら

システム導入は、業務効率化だけでなくセキュリティ管理の観点も非常に重要です。特に、誰がいつ、どのエリアにアクセスしたかを正確に把握することは、情報資産を守る上で基本となります。例えば、職員だけでなく、保守や清掃で訪れる外部業者の方々の入退館記録をデジタルで管理するシステムは、セキュリティレベルの向上に貢献するでしょう。

出展元

  1. 厚生労働省_電子処方箋の現況と令和7年度の対応

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/001428602.pdf


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