薬剤師のための生産性向上マインドセット5選

2025/8/6

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はじめに

病院薬剤師として働く皆さんは、病棟業務、入退院支援、チーム医療でのカンファレンスなど、多岐にわたる業務に追われているのではないでしょうか。患者さんの安全を守るうえで欠かせない調剤・薬剤管理業務はもちろんのこと、多職種と連携しながら最新の治療情報をキャッチアップし、医師や看護師への服薬情報を提供するなど、時間に追われる日々が続いているかもしれません。

さらに近年は、医師の働き方改革によるタスクシフトで、病棟業務における配置薬の管理や患者さんの投薬状況や副作用のモニタリング、治療効果の評価など、薬剤師の役割は大きくなっています。

こうした忙しさの中でも「生産性を高めるマインドセット」を身に付けることは、業務の質を落とさずに患者さんへのケアをより充実させ、自分自身の負担を軽減するうえでも非常に有益です。今回は、「病院薬剤師として働くうえでの生産性向上マインドセット5選」と題し、実務現場で活用しやすい思考法や習慣をご紹介します。私自身、病院薬剤師の方々と情報交換をしてきた中で得た実践的なアイデアも交えつつ解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。


マインドセット①:目標設定と優先順位づけ

1. タスク洗い出しと優先度の決定

病院薬剤師の業務は、毎日同じようでいて実は変化に富んでいます。急な入院患者の受け入れや処方変更、治験薬の対応、さらにはAIを活用した重複投薬チェックなど、新しいシステムやプロジェクトが次々と導入されることも少なくありません。そんな中で一番大切なのは、「今日はどの業務を最優先に処理するべきか」を明確にすることです。

具体的には、出勤後の早い段階で当日のタスクをすべて洗い出し、「重要度」と「緊急度」を軸に優先順位を付けてみましょう。最重要タスクを先に終わらせる習慣を作ると、突然の呼び出しや業務変更があっても、土台が崩れにくくなります。

2. 短期・中期・長期の目標の明確化

優先順位づけに加え、「どんな目標のためにこの仕事をしているのか」を意識することで、日々の業務が単なる“作業”から“キャリアアップの道”として捉えられるようになります。

短期目標の例としては、「1週間後の病棟ラウンドで新しく導入された薬剤の情報を整理し、医師・看護師へ正確に説明できるようにする」など、具体的で達成しやすいものを設定します。中期目標では、「薬剤管理指導業務のマニュアル作成を数カ月かけて進め、院内の薬剤部で共有する」など、やや大きめのプロジェクトを掲げるのも良いでしょう。さらに長期目標として、「専門薬剤師の資格取得」や「数年先には指導的立場になって病棟活動をリードする」など、将来的なキャリアビジョンを定めておくと、モチベーションが継続しやすくなります。



マインドセット②:タイムマネジメント術

1. 時間帯別のパフォーマンスを知る

忙しい病院現場では、厳密な時間管理術を実践するのが難しいケースもあります。しかし、だからこそ自分の「集中力が高まる時間帯」と「疲れが出やすい時間帯」を把握しておくことが大切です。たとえば、午前中は病棟業務や医師への確認事項が増えがちなので、最も注意力を要する業務を優先的に行う。午後の眠気が来そうな時間帯には、逆に書類チェックや入力業務などを先に片づけておく。こうした工夫だけでも、作業効率が少しずつ上がっていきます。

2. 薬剤部内での予定共有

病院薬剤師としての業務は、医師や看護師など他職種との連携が多い一方で、薬剤師同士の足並みを揃えることも重要です。とくに大規模病院では複数の病棟を兼任したり、当直やオンコール業務があったりと、薬剤師のスケジュールが把握しにくいこともあるでしょう。そこで有用なのが「薬剤部内での予定共有」です。

具体的には、薬剤部内限定で使えるグループウェアや共有カレンダーなどを導入し、誰がいつ病棟に出ているのか、外来の薬剤管理指導は誰が担当しているのかなどを“見える化”します。近年は医療機関向けに情報セキュリティを強化したグループウェアやタスク管理システムの導入事例も増えています。上司や同僚とのコミュニケーションがスムーズになるだけでなく、空き時間を有効活用したサポート体制を組みやすくなるのがメリットです。


マインドセット③:集中力の維持と環境作り

1. デジタルデトックスや休憩の最適化

集中力を維持するうえで、無駄な情報や雑音を遮断する「デジタルデトックス」は意外に効果があります。ただし病院によっては、業務用スマートフォンやPHSを使いながら連絡を取り合っているため、通知オフが難しい現場もあるでしょう。その場合は、施設の運用ルールやセキュリティポリシーに合わせつつ、必要ない通知だけ絞り込む・サイレントモードを活用するなどの工夫を考えてみてください。

また、休憩を取るタイミングは意外と侮れません。短時間でも意識して休むことで、後の作業効率が上がり、ミスを防ぐことにつながります。人によっては机で軽く目を閉じるだけでも十分リフレッシュできることがあります。

2. ワークスペース整理によるストレス軽減

病院薬剤部や病棟の薬剤保管場所などを常に整理整頓しておくことも、生産性向上には欠かせません。必要な物品を探し回る時間は意外と大きなロスになりますし、急いでいるときに在庫切れに気づくと焦りやストレスが増えます。定期的に薬品の配置を見直し、薬剤部内で「この薬はここに置く」といったルールを明文化しておくとよいでしょう。5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を日頃から意識するだけでも、見違えるほど現場がスムーズになります。

3. マインドフルネスや呼吸法の導入

薬剤師の仕事はどうしても集中力を要する場面が多く、疲労やストレスがたまりがちです。短時間でも意識的にマインドフルネスや呼吸法を取り入れてみると、思いのほか気持ちが落ち着き、その後の業務に戻りやすくなると感じます。忙しいからこそ、ほんの数分でも心を落ち着ける時間を作ることが大切です。


マインドセット④:業務効率化とデジタルツール

1. 電子カルテ・電子薬歴・在庫管理システムの活用

病院では、多職種がアクセスできる電子カルテシステムが広く普及していますが、さらに薬剤部としての業務効率を高めるには電子薬歴や在庫管理システムとの連携が鍵を握ります。紙ベースの記録から電子化することで、検索や集計がスムーズになり、業務時間の削減に直結します。また、在庫管理システムを併用すれば、薬剤の棚卸や発注作業が効率化し、必要なときに必要な薬を確実に患者さんへ届けられるようになるでしょう。

2. 繰り返し業務の自動化・標準化

病院薬剤師の業務には、定期的に発生する繰り返しタスクが数多く存在します。たとえば「毎月の病棟別使用薬剤データの報告書作成」や「病棟カートの在庫点検スケジュール」など、同じ流れを定期的に行う業務は、できる限り自動化や標準化を進めるのがおすすめです。院内の情報システム部門と協力し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入してデータを自動集計する仕組みを整えるなど、小さな工夫でも大幅な業務効率アップを期待できます。


マインドセット⑤:自己成長とモチベーション管理

1. ポジティブな学習習慣と勉強会の活用

病院では新しい薬剤や治療方針、ガイドラインの情報が次々と飛び込んできます。薬剤師として働くからには、その情報をキャッチアップして適切に活用する力が求められますが、多忙な現場では「勉強する時間が取れない」と悩む方も多いでしょう。そんなときに有効なのが「小分け学習法」です。休憩中や業務の合間に最新の論文概要や学会の発表資料をチェックしておくと、まとまった勉強時間が取りづらい状況でも少しずつ知識を蓄えられます。

また、院内外で開かれる勉強会やウェビナーに参加するのもおすすめです。ASHPFIPなど海外の学会が提供する情報にも触れることで、最新の動向や研究データを得られ、視野が広がります。

2. 振り返り習慣で成功・失敗事例を分析

多くの患者さんと接していれば、いつでも完璧に業務をこなすのは難しいもの。ミスや不備が起こった場合はもちろん、上手くいったケースでも「なぜ成功できたのか」を振り返ることが重要です。病棟の医師と連携した副作用モニタリングが成功した場合は、どのタイミングで連絡を取り、どの情報が有益だったかを記録しておくなど、小さな成功と失敗の両面をPDCAサイクルで検証すると、次につなげやすくなります。

3. 周囲のサポートやチームビルディングでモチベーション維持

病院薬剤師は多職種連携が基本ですが、薬剤部内のサポート体制づくりも大切です。連絡ノートや電子ツールを活用して情報共有をスムーズにし、いつでも仲間に相談できる環境を整えるだけでも、負担感や孤独感が大きく軽減されます。とくに新人薬剤師や若手の育成にあたる方は、上手にフォローの仕組みを作り、相談のハードルを下げるとよいでしょう。結果として、薬剤部全体の雰囲気が良くなり、生産性も上がっていくと感じます。



まとめ

忙しい病院薬剤師こそ、生産性向上のためのマインドセットを取り入れることで、患者さんのケアをより充実させながら自分自身の働きやすさも高めることができます。

こうした取り組みを進めるうえで、院内コミュニケーションや情報共有をスムーズにするためのグループウェアやクラウド型タスク管理ツールを活用する事例も増えています。薬剤部の予定管理や文書データの共有が一元化できれば、より効率的にチーム医療を進められるでしょう。興味のある方は一度、病院向けグループウェア製品の導入事例や機能概要をチェックしてみると、新たな生産性向上のヒントが得られるかもしれません。

日々、患者さんの安全を第一に考える病院薬剤師の皆さんだからこそ、小さな改善の積み重ねが大きな成果につながるはずです。本記事が、病院薬剤師としての生産性向上や働き方の見直しに少しでもお役に立てれば幸いです。


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