- はじめに
- 1. Z世代薬剤師とは?特徴を知る2つの視点
- 1.1. スマホネイティブならではの強み
- 1.2. コミュニケーションに対する価値観(タイパ重視)
- 2. 医療現場の「報連相」をアップデートする3つのステップ
- 2.1. ステップ1:報告(チャットツールでの即時共有と後日の文書化)
- 2.2. ステップ2:連絡(スレッド活用で確認漏れを防ぐ)
- 2.3. ステップ3:相談(テキストと対面コミュニケーションのハイブリッド対応)
- 3. Z世代とベテラン薬剤師のジェネレーションギャップを埋める工夫
- 4. コミュニケーションのアップデートを支える「Dr.JOY」の活用
- 5. よくある質問(FAQ)
- 6. まとめ
- 7. 参考資料
はじめに
Z世代薬剤師とは、一般的に1990年代後半から2000年代前半に生まれた、スマホネイティブ世代の薬剤師のことです。厚生労働省の令和4年(2022年)調査によると、29歳以下の薬剤師は全体の約12%を占めており、医療現場における影響力は年々高まっています。
こうした背景の中、多くの薬局・病院の管理者やベテラン薬剤師からは、「若手スタッフとの報連相がうまくかみ合わない」「口頭での指示が伝わりきらず、情報共有に漏れが生じる」といった声が聞かれます。世代によってコミュニケーションの前提が異なるまま従来のやり方を続けると、伝達ミスや若手の負担感につながりかねません。
本記事では、Z世代薬剤師のコミュニケーション上の特徴を踏まえたうえで、医療現場の「報連相」を世代間のギャップを埋めながらアップデートする3つのステップと、その実現を後押しするデジタルツールの活用法を解説します。
1. Z世代薬剤師とは?特徴を知る2つの視点
Z世代薬剤師には、業務の進め方やコミュニケーションのスタイルにおいて、主に次の2つの特徴があるとされています。

1.1. スマホネイティブならではの強み
Z世代薬剤師の強みは、新しいデジタルツールに対する適応力が高いことです。
学生時代からスマートフォンやタブレットを学習に活用してきた世代であるため、電子薬歴システムや服薬指導アプリ、医療機関向けのチャットツールなどを導入した際も、直感的に操作を覚え、業務へ応用しやすい傾向があります。
ベテラン薬剤師が操作に戸惑うような新しいシステムでも、Z世代薬剤師が率先して活用し、職場全体のデジタル化(医療DX)を後押しする役割を担うケースが増えています。
1.2. コミュニケーションに対する価値観(タイパ重視)
Z世代薬剤師のコミュニケーションにおける特徴として、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する傾向が挙げられます。
タイパとは、費やした時間に対する満足度や成果の割合を指す言葉です。対面での長時間の会議や、口頭での曖昧な指示よりも、必要な情報をチャットやテキストで簡潔に伝達し、非同期(リアルタイムではない状態)でやり取りすることを「効率的」と感じる傾向があるとされています。
この価値観の違いを理解することが、円滑な職場環境づくりの第一歩になります。
2. 医療現場の「報連相」をアップデートする3つのステップ
医療現場における「報連相(報告・連絡・相談)」は、患者の安全に関わる重要な業務です。しかし、従来の口頭中心の報連相は、Z世代薬剤師にとって非効率に感じられる場合があり、管理者側から見ても情報が正確に残りにくいという課題があります。
ここでは、世代間のギャップを踏まえながら報連相をアップデートする3つのステップを紹介します。

2.1. ステップ1:報告(チャットツールでの即時共有と後日の文書化)
報告業務のアップデートは、チャットツールを用いた情報の即時共有を優先することです。従来の医療現場では、業務終了後に日報をまとめて書く、あるいは対面で時間を取って報告する方法が主流でした。
一方でZ世代薬剤師は、業務の節目ごとに短いテキストで報告を行うスタイルを好む傾向があります。
一次報告:異常や変更があった際、即座にチャットツールで第一報を送信する
詳細報告:終業前など、時間が確保できたタイミングで、電子カルテや薬歴システムに詳細な記録を残す
この2段階の報告フローを取り入れることで、情報の伝達漏れを防ぎ、医療安全の質を高めやすくなります。
2.2. ステップ2:連絡(スレッド活用で確認漏れを防ぐ)
連絡業務のアップデートは、チャットツールのスレッド機能を活用し、情報の時系列を明確にすることです。口頭での一斉連絡は、「言った・言わない」のトラブルにつながりやすいものです。
文字情報として記録が残る連絡手段は、こうしたリスクを減らすのに役立ちます。
テーマ別スレッドの作成:「医薬品の採用・欠品情報」「シフト連絡」「患者情報の共有」など、テーマごとにスレッドを分ける
リアクション機能の活用:連絡事項を読んだスタッフが「確認しました」などのスタンプを押すルールを設ける
これにより、誰が連絡を確認していないかが可視化され、伝達ミスの削減につながります。
2.3. ステップ3:相談(テキストと対面コミュニケーションのハイブリッド対応)
相談業務のアップデートは、テキストでの事前共有と、対面での問題解決を組み合わせたハイブリッド型を取り入れることです。
Z世代薬剤師の中には、いきなり先輩に声をかけて時間を奪うことに心理的なハードルを感じる人もいるとされています。
テキストでの事前打診:まずチャットツールで「〇〇の件で相談があります。お手すきの際にお声がけください」と送る
要点の事前共有:相談したい内容の要点や、自分で調べた結果をテキストで事前に送る
対面での解決:先輩薬剤師は事前に内容を把握したうえで、短時間で的確な対面アドバイスを行う
このハイブリッド対応により、双方の時間を有効に使いながら、質の高い相談環境をつくりやすくなります。
3. Z世代とベテラン薬剤師のジェネレーションギャップを埋める工夫
Z世代薬剤師とベテラン薬剤師の間には、業務に対する前提知識やコミュニケーションのスタイルにおいて、一定のギャップが存在するとされています。
このギャップを放置すると、職場の人間関係が悪化し、離職リスクの上昇につながる可能性があります。
比較項目 | ベテラン薬剤師の傾向 | Z世代薬剤師の傾向 | ギャップを埋めるための解決策 |
情報伝達の手段 | 対面・口頭での直接的な対話を重視する | チャット・テキストでの非同期通信を好む | 用件の緊急度に応じて連絡ツールを使い分けるルールを策定する |
業務の習得方法 | 先輩の背中を見て覚える(暗黙知の共有) | マニュアルや動画を用いた論理的な学習を好む | 業務手順を言語化し、クラウド上でマニュアルを共有する |
フィードバック | 結果に対する率直な指導を行う | 過程を認め、心理的安全性の高い指導を求める傾向がある | 1on1ミーティングを定期開催し、改善点を具体的に伝える |
会議のスタイル | 全員が1つの場所に集まり、時間をかけて議論する | 事前に資料を共有し、短時間で結論を出すことを求める | 会議前にアジェンダを共有し、会議時間を30分以内に区切る |
表に示したように、Z世代薬剤師の力を引き出すためには、業務の「言語化」と「マニュアル化」が鍵になると考えられます。ベテラン薬剤師の経験則をテキストデータとして蓄積することは、薬局全体の財産にもつながります。
4. コミュニケーションのアップデートを支える「Dr.JOY」の活用
これまで紹介したステップやルールを職場に定着させるには、それを支えるデジタル環境の整備も欠かせません。
ここでは、医療現場のコミュニケーションを円滑にする医療特化型グループウェア「Dr.JOY」の活用について紹介します。

【導入効果】
情報セキュリティの担保
一般向けSNSの業務利用(いわゆるシャドーIT)を避けやすくなり、患者情報を含むやり取りも暗号化された環境で行えます
業務の属人化の解消
連絡事項や相談履歴がシステム上に記録として残るため、担当者が不在の場合でも他のスタッフが履歴を確認しながら業務を引き継ぎやすくなります
世代を越えた定着率の向上
使い勝手の良いデジタル環境が整っている職場は、Z世代薬剤師にとって「働きやすい環境」として評価されやすく、離職の防止にもつながると考えられます
報連相のルールを整えるだけでなく、それを日々の業務に無理なく落とし込む仕組みとして、Dr.JOYのようなツールの導入を検討してみるのも一つの方法です。

5. よくある質問(FAQ)
Q1:Z世代薬剤師の早期離職を防ぐには、どのような工夫が考えられますか?
A1:心理的安全性の高い職場環境を整えることが一つのポイントとされています。定期的な1:1ミーティングを実施し、業務の目的や意義を言語化して伝える指導方法が効果的だと言われています。
Q2:医療現場でチャットツールを導入する際、どのようなセキュリティ対策が求められますか?
A2:情報の暗号化や、アクセス権限の適切な設定が重要とされています。
厚生労働省のガイドラインを満たしていない一般向けSNSの業務利用は、情報漏洩のリスクが高まるとされているため注意が必要です。患者情報を取り扱う場合は、医療業界向けに設計されたセキュリティ基準の高いシステムを選ぶことが推奨されます。
Q3:Z世代薬剤師の育成において、ベテラン薬剤師が意識したいコミュニケーションのポイントは何ですか?
A3:「見て覚える」という従来の暗黙知による指導法だけに頼らず、マニュアル化・言語化を進めることが求められると言われています。
Z世代薬剤師は論理的な説明を好む傾向があるとされるため、作業の手順だけでなく「なぜその業務が必要なのか」という背景をあわせて伝えることが、育成をスムーズにするポイントの一つと考えられます。
6. まとめ
Z世代薬剤師はデジタルリテラシーが高く、タイムパフォーマンスを重視する傾向があるとされています。
この特性を踏まえ、従来の口頭中心の「報連相」をチャットツールなどのデジタル手段へ少しずつ移行していくことで、情報伝達の質を保ちながら業務効率化を図りやすくなります。
7. 参考資料
厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/22/index.html
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」

Dr.JOY株式会社DS事業部 カスタマーサクセス
長友
このライターの記事一覧