

大阪公立大学医学部附属病院 先端予防医療部附属クリニック MedCity21 運営課 課長 牧田様、運営課 係長 北田様、運営課 係員 辻岡様、電話予約受付のご担当者様にインタビューを行いました。
本記事は、インタビュー映像の文字起こし記事です。動画版はこちら。
※以下敬称略とさせていただきます
大阪公立大学医学部附属病院先端予防医療部附属クリニック MedCity21
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス21Fに位置する、公立大学法人大阪が開設する大学病院附属の先端予防医療部附属クリニックです。健康寿命の延伸を重要な課題とし、がんや生活習慣病などの早期診断、発症高リスク者の拾い上げを目的とした健診・人間ドックを提供しています。大学附属病院の現役医師による質の高い健診・診療に加え、AIを含む画像診断機器の開発や診断精度向上にも取り組んでいます。

“年間1万5000人超の受診者を支える健診電話。繁忙期は1日100件以上の対応も”
─健診電話の受付体制と対応件数
北田:朝9時から夕方の4時30分まで、AI電話は24時間、365日稼働としております。
また土曜日は4名のうち1名のみが出勤し、平日に振り替えで休みを取る必要があるため、4名全員が揃う日が少ないという課題もあります。
牧田:当施設は年間1万5000人を超える受診者がいらっしゃるため、1人当たりの対応件数は非常に多くなっているという状況です。
電話予約受付:1日に1人30件から50件ほどだったと思いますが、繁忙期は全体で100件以上あったように思います。

運営課 課長 牧田様
“電話が鳴りっぱなしの繁忙期。人員補強やマニュアル整備でも残った取りこぼしの課題”
─AI電話導入前に抱えていた課題
牧田:日中全ての電話に対応しきれない状況が続いていました。
特に予約が集中する時期は電話が鳴りっぱなしでスタッフが常に対応に追われ、疲弊してしまう場面も多く見られました。
さらに予約内容が複雑なケースも多く、新人スタッフがその場で正確に対応するにはハードルが高いという問題もありました。
結果として対応に時間がかかったり判断に迷う場面が増え、現場の負担が大きくなっていました。
こうした状況から電話の取りこぼしリスクや対応品質のばらつきが課題となり、改善が必要だと感じていました。
電話予約受付:繁忙期など電話が込み合うタイミングはお客様からつながりにくい、緊急の用件なのに伝えられないとご連絡いただくことがありました。
また、予約を取りたいのに日中しか電話はつながらないため、仕事などで電話がかけられないとご連絡いただくこともあります。

運営課 係長 北田様
─これまで行ってきた電話対応と結果
牧田:これまでは電話対応をスタッフ以外の職員にも協力してもらい、できるだけ多くの電話に対応できるような体制を工夫してきました。
また、急な欠員が出た際には派遣職員を導入するなど、人員面での補強も行っていました。
北田:対応のばらつきを減らすためにマニュアルを作成し、誰でも一定の品質で対応できるようにする工夫も行っておりました。
しかし、予約内容が複雑なケースが多く、その場で正確な対応をするのは一定の経験が必要で、マニュアルだけでは限界がございました。
“決め手は、取りこぼし防止と現場運用に合わせられる柔軟性”
─AI電話の導入意思決定で特に重視したこと
牧田:重視したのは電話の取りこぼしを確実に防げるかという観点です。
日中全ての電話に対応しきれない状況が続いていまして、この課題を解消できる仕組みがあることが重要でした。
次に“スタッフの負担軽減に繋がるか”も大きな判断材料でした。
さらにAIが受けた内容をもとに、こちらで最終確認、折り返しができる運用が可能かという点も重視しています。
完全自動化ではなく、現場の運用に合わせて柔軟に組み込めることが導入の決め手になりました。
“会話として対応するAIへの驚き。聞き取り精度は稼働しながら高める運用へ”
─初めてAI電話を聞いたときの感想
辻岡:初めてAI電話を聞いたときは、単純な音声案内ではなく、実際に会話として対応していたことにまず驚きました。
その上で話すスピードがゆっくりだなというのが率直な第一印象でした。
当施設はあべのハルカス内にあり、受診される方の多くが関西圏の方、スタッフも関西人ということもあって、会話においてある程度迅速さを求められることが予想されました。
最初にシナリオを作成して実際に音声を確認した際にもその点が気になったため、お伝えしたところスピード感や話し方の調整がスムーズに行われました。
AIでもここまで柔軟に調整できるんだと感じたのが最初の大きな驚きでした。

運営課 係員 辻岡様
─導入前の不安と実際の結果
辻岡:当施設では専用の予約システムを使って受診予約を管理しております。そのシステムとAI電話で聞き取った内容は直接連携していないので、折り返しの連絡が前提となるのですが、一次受付であるAI電話でどれだけ正確に内容を聞き取ることができるのかを懸念しておりました。
北田:聞き取り精度に関しては、現時点でも現場スタッフから改善点の報告を受けることがあります。
ただ、担当者の方からは最初から100%を目指すのではなく、稼働しながら100%に近づけていくものと説明を受けていたこともあり、想定の範囲内だと感じております。

運営課 係長 北田様(左)
運営課 係員 辻岡様(右)
“通常の電話応対に近いシナリオ設計で、夜間・休日の問い合わせも受け止める体制へ”
─シナリオ設定で意識したこと
辻岡:電話受付予約スタッフにはベテランの方もいらっしゃいますので、AI電話での予約受付が特別なものになりすぎないように、通常電話における電話応対となるべく同じ流れになるように意識して作成をいたしました。
また、直近のキャンセルや日程変更といった当施設のキャンセルポリシーの対象となるような内容は、フローであらかじめ振り分け、該当の方にはAI電話ではお受けできませんというようなアナウンスを設定いたしました。
─AI電話導入後に一番変化したこと
牧田:一番大きな変化は、夜間や休日にも電話が受けられるようになったことです。
これまでは、受付時間外の問い合わせはどうしても対応できず、取りこぼしが発生していた可能性がありました。
AI電話を導入したことで、時間外の連絡も受け止められるようになりましたし、
受診者様の便利性が向上しただけでなく、私たちとしても大事な連絡を逃していないという安心感が生まれました。
“大きな苦情がないことが、違和感なく受け入れられている証拠”
─患者様の反応
牧田:導入後、患者さんからは特に大きなご意見や苦情は寄せられていません。
これは裏を返せば、AI電話が違和感なく受け入れられ、問題なく機能している証拠ではないかと感じています。
高齢の受診者も多い中で、特に戸惑いの声が上がっていないことは、想像以上にスムーズに利用していただけているという手応えにつながっています。
現時点では大きな変化はありませんが、将来的にはAI電話の活用を広げることで、
業務の効率化や人員配置の最適化につながり、結果としても人件費に良い影響が出ることを期待しています。
急激に人を減らすというよりは、AIが補える部分を徐々に任せていくことで、
スタッフがより専門性の高い業務に集中できる体制に変わってほしいと考えています。
“管理画面で対応状況を見える化し、SMSで折り返し業務を効率化”
─AI電話で便利だと思う機能
辻岡:管理画面において、状態を施設ごとの運用に応じて自由に設定ができ、さらにはソートをかけることもできるので、
今対応すべき処理中の方はどなたなのか、折り返しかかってきた方がどういった状態なのかを一目見て分かることが便利だという声があります。
この状態の項目も事前に設定されていたものから、現場担当者の意見を踏まえてカスタマイズいただきました。
─折返しツールでSMSを活用することについて
電話予約受付:一度入電があった方を期限なく追いかけて折り返しを行うことは、業務負担も大きく非効率ですが、期限を決めてSMSを送信すれば効率的ですし、
どのように対応したかを文字として残すことができる点において、私たち対応する側を守る意味でも良いと感じています。

“まずは一次受けから。AIが補える部分を任せ、スタッフが専門業務に集中できる体制へ”
─AI電話を導入検討されている施設へ
牧田:いきなりすべてを任せるということではなく、まずは一次受けとして導入するだけでも業務の負担軽減につながります。
特に時間外の問い合わせを確実に拾えるようになることは大きなメリットです。
実際に運用してみると必要な情報をしっかり聞き取ってくれるため、スタッフが落ち着いて対応できる環境づくりに役立っています。
少しずつでも取り入れてみることで業務の幅が広がり、将来的な体制づくりにもつながると思います。
北田:AIと聞くと私はまだまだ未知のものというイメージが最初強かったのですが、
うまく使えば今抱えている課題や負担を解決できたり、軽減ができたりする可能性を大きく秘めたツールだと身をもって感じております。
AI電話の導入で更なる可能性を引き出す施設が一つでも増えることを願っております。
─本日ありがとうございました。
インタビュー動画はこちら

Dr.JOY株式会社 AI電話事業部 カスタマーサクセス
能井
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