病棟と調剤業務の効果的な連携方法:コミュニケーションを改善するためのステップ 

2025/7/14

はじめに

病棟業務と調剤業務を両立させることは、医療機関において欠かせない業務の一部です。しかし、両者がうまく連携できていないと、患者ケアの質が低下したり、業務の効率が悪化する可能性があります。特に、病棟と調剤部門の間での情報伝達やコミュニケーションの不足は、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

本記事では、病棟業務と調剤業務の両立を支援するために、病棟とのコミュニケーション課題をどのように解決し、業務の効率化を図るかを具体的に解説します。実際に実行可能なステップや方法を紹介し、医療従事者の負担軽減と患者ケアの向上に繋げるための改善策を提案します。


病棟業務と調剤業務が抱える課題

病棟業務と調剤業務は、それぞれ異なる役割を担っていますが、連携がうまくいかない場合、大きな課題となります。特に、病棟と調剤部門間で情報が正確に共有されないと、ミスや時間のロスが発生することがあります。

1. メール作業の煩雑さ

調剤業務と病棟業務の間で、重要な情報を伝達する手段としてメールが使われることが多いですが、複数の担当者が関与している場合、確認作業が煩雑になり、情報の整理に時間がかかることがあります。さらに、メールの返信漏れや内容の重複が発生すると、コミュニケーションの質が低下します。

2. 業務負担が与える影響

これらの課題が積み重なることで、医療従事者は本来の業務に集中する時間が減り、業務の効率性が低下します。さらに、処方ミスや情報の遅延が生じると、患者ケアに影響を与える可能性があり、医療サービスの質にも関わってきます。


病棟と調剤業務の連携を改善するために必要な基本ステップ

病棟業務と調剤業務がうまく連携できるようにするためには、コミュニケーションを改善するための基本的なステップを踏むことが重要です。

1. 明確な情報共有の体制作り

まず、調剤業務と病棟業務でやり取りされる情報の流れを整理し、共有する体制を明確にすることが大切です。例えば、調剤業務で使用する薬剤の情報や、病棟での治療経過に関する重要事項を、どのタイミングでどの担当者が確認するのかを決めておきます。シンプルなツールを活用することで、コミュニケーションの手間を減らし、情報の共有を円滑にすることができます。

2. 業務フローの見直しと標準化

業務のフローを見直し、標準化することで、調剤業務と病棟業務間のスムーズな連携が可能になります。例えば、薬剤の発注や調剤の過程で発生する確認作業を標準化し、急な変更に対応できる体制を作ることが効果的です。業務フローを明確にすることで、日常的な連携が円滑に進み、予測可能な流れが確立されます。

3. 病棟と調剤業務スタッフの役割理解と共有

病棟スタッフと調剤業務スタッフが、それぞれの役割を理解し合い、業務の役割分担を明確にすることが重要です。調剤業務においては、どのタイミングで病棟スタッフに確認をとるべきか、逆に病棟側が調剤業務にどの情報を伝えるべきかを認識し、共有することで、業務がスムーズに進行します。



効果的なツールや技術の活用

業務の効率化を図るためには、適切なツールや技術を活用することが不可欠です。デジタルツールや自動化機能を活用することで、業務負担を軽減し、連携の精度を向上させることができます。

1. デジタルツールの導入

調剤業務と病棟業務の連携を支援するために、電子カルテや情報共有アプリケーションなどのデジタルツールを活用することが効果的です。これらのツールは、病棟と調剤業務スタッフの間での情報共有をリアルタイムで可能にし、間違いや遅れを防ぐ役割を果たします。また、モバイルアプリやクラウドサービスを活用することで、どこでもアクセスできる環境が整います。

2. 自動化やリマインダー機能の活用

重要な確認事項や期限がある場合、自動リマインダー機能を活用することで、業務の漏れや遅延を防ぐことができます。例えば、処方内容の確認や調剤完了の報告を自動化することにより、手動での確認作業を削減できます。これにより、病棟業務と調剤業務がスムーズに連携し、効率的に情報が共有されます。


実際の事例:病棟と調剤業務の連携改善に成功したケース

1. 病棟薬剤業務の効率化と業務改善

ある病院では、病棟薬剤業務の効率化を目指し、業務の集約化と服薬指導の時間配分の見直しを行いました。具体的には、外来患者の調剤業務を新人薬剤師に担当させ、病棟薬剤師が注射薬の払い出しに費やしていた時間を病棟勤務のない薬剤師に移行しました。これにより、全病棟で1日あたり約1時間の業務時間を確保し、病棟業務の効率化を実現しました。

参考(https://gemmed.ghc-j.com/?p=2105)

2. 病棟薬剤業務の時間管理と情報共有の改善

別の医療機関では、病棟薬剤業務の日誌と記録票を改良し、業務内容別に業務時間を記載する様式に変更しました。これにより、業務時間の管理がスムーズになり、病棟薬剤師による処方提案が着実に実施されるようになりました。

参考(https://www.hosogi-hospital.jp/upimage/16860410320.pdf)

3. 病棟向け調剤工程管理システムの導入

群馬大学医学部附属病院では、病棟向け調剤工程管理システムを導入し、調剤プロセスを可視化しました。これにより、医師や看護師がウェブで調剤工程を確認できるようになり、薬剤部への電話問い合わせを大幅に削減しました。

参考(https://rfid.toppan-edge.co.jp/example/detail02.html)


個人情報保護と情報共有の安全性

病棟と調剤業務の連携を強化するためには、正確な情報共有が欠かせません。しかし、医療機関における情報共有には個人情報保護法や関連法規が適用され、適切なセキュリティ対策を講じることが求められます。特に、患者の診療情報や薬歴データを扱う際には、慎重な管理が必要です。

1. 個人情報保護法の適用と注意点

病棟業務と調剤業務の間で情報共有を行う際、以下の点に留意する必要があります。

  • 患者情報の取り扱い: 処方内容や治療計画など、個人情報に該当するデータは適切な手段で管理し、不要な共有を避ける。

  • 匿名化・データの最小化: 患者の特定が不要な情報は、匿名化して共有することでプライバシーを保護する。

  • アクセス管理: 病棟と調剤部門の間でデータをやり取りする際、アクセス権限を明確にし、不正アクセスや情報漏えいを防ぐ

2. 情報共有時のセキュリティ対策

病棟業務と調剤業務がスムーズに連携するためには、デジタルツールやシステムを利用する機会が増えます。その際、適切なセキュリティ対策を実施することが不可欠です。

  • 安全な通信手段を確保: メールやメッセージアプリを利用する際は、TLS/SSL暗号化などを適用し、第三者による情報の傍受を防ぐ。

  • 二要素認証(2FA)の導入: 電子カルテや医薬品管理システムにログインする際、パスワードとワンタイムパスワード(OTP)を組み合わせた認証方式を採用する。

  • ログ管理と監査の実施: 情報の送受信履歴を記録し、どの情報が誰によってアクセスされたかを監査できる体制を整える。


まとめと今後の取り組み

病棟業務と調剤業務の円滑な連携は、患者ケアの質に直結します。業務の効率化を図るためには、コミュニケーションの改善、業務フローの見直し、デジタルツールの活用など、さまざまな取り組みが必要です。今後も、IT技術や自動化の進展に伴い、より効率的な連携が実現できるでしょう。

病棟と調剤業務のスタッフが互いの役割を理解し、情報を正確かつタイムリーに共有することで、患者ケアの質を高め、医療業務の負担を軽減することができます。



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