面接指導による医師の働き方改革の推進方法 

2026/9/17

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はじめに

医師の面接指導を効果的に進めるための推進方法には、「正確な労働時間に基づく対象者の抽出」「産業医と管理職の連携」「ICTツールを活用した業務改善(タスクシフト)」の3つの要素が不可欠です。

2024年4月より施行された「医師の働き方改革関連法」により、月100時間を超える時間外・休日労働を行う医師に対する面接指導が義務化されました。

本記事では、医療機関が法的義務を遵守し、医師の健康を守りながら実効性のある面接指導を推進するための具体的な手順や、ツール導入のポイントについて解説します。


1. 医師の面接指導とは?

医師の面接指導とは、長時間労働によって疲労が蓄積した医師に対し、産業医や面接指導実施医師が健康状態や勤務状況を確認し、必要な就業上の措置を講じるための制度です。

これは労働安全衛生法および医療法等の一部を改正する法律に基づき、過労死等の健康被害を未然に防ぐ目的で規定されています。

1.1. 厚生労働省が定める実施基準(月100時間超の時間外労働)

厚生労働省が定める実施基準は、「時間外・休日労働が1か月あたり100時間を超える見込みの医師」に対して面接指導を行うことです。

労働時間が月100時間を超えることが判明した時点で、速やかに面接指導のスケジュールを調整する必要があります。医療機関は医師の労働時間を正確に把握し、基準を超過する前にアラートを出す体制を整えることが求められます。

1.2. 実施対象となる医師の条件

面接指導の実施対象となるのは、以下の条件に当てはまる医師です。

  • 初期臨床研修医

  • 専攻医

  • その他のすべての勤務医

役職や雇用形態に関わらず、指定された労働時間の基準を超過するすべての医師が対象となります。アルバイトや外勤(副業・兼業)を行っている医師の場合、それらの労働時間も合算(通算)して計算するため、正確な労働時間の通算管理が非常に重要です。

【通算労働時間の計算例】

常勤先のA病院で月80時間の時間外労働を行い、外勤先(アルバイト)のBクリニックで月25時間の労働をした場合、通算の時間外労働は「105時間」となります。この場合、A病院での労働単体では基準を下回っていても、通算で100時間を超えるため、面接指導の対象としてスケジュールを調整する必要があります。


2. 医師の面接指導を実効化する「推進方法」4つのステップ

医師の面接指導を単なる形式で終わらせず、実効化するための推進方法は、以下の4つのステップで構成されます。医療機関が組織全体でこのプロセスを回すことが、働き方改革成功の鍵となります。

2.1. ステップ1:データの抽出(労働時間の正確な把握)

まずは、勤怠管理システム等を用いて、月100時間の基準を超過する見込みの医師を早期にリストアップします。自院での労働だけでなく、外勤先での労働時間も含めた通算労働時間を正確に把握することが求められます。基準値に近づいた段階で自動アラートが鳴る仕組みを整えることで、抜け漏れを防ぎます。

2.2. ステップ2:ヒアリング(面接指導の実施)

抽出された対象医師に対し、産業医または面接指導実施医師が面談を行います。厚生労働省が推奨する自己診断チェックリスト等を利用して疲労度を客観的に評価し、睡眠の質や量、業務上の強いストレスの有無をヒアリングします。必要に応じてオンライン面接指導を活用し、医師のスケジュール負担を軽減します。

2.3. ステップ3:改善策の検討(就業上の措置)

面接結果に基づき、実施医師からの意見書を管理部門へ提出します。管理職はこれを受け、医師の意見も踏まえた上で具体的な就業上の措置を決定します。深刻な場合はドクターストップ(勤務制限)の判断を下すほか、日常的な業務負担を減らすためのタスクシフト(他職種への業務移管)や人員配置の再構築を実施します。

【就業上の措置・タスクシフトの具体例】

  • 業務の移譲: 診断書やサマリーなどの書類作成業務を、医師から医療事務作業補助者(医療クラーク)へ移譲する。

  • 勤務制限の実施: 当直明けの医師の午後からの外来診療を免除し、確実な勤務間インターバル(休息時間)を確保する。

  • 当直体制の見直し: 複数人当直体制への移行や、オンコール待機の頻度を削減する。

2.4. ステップ4:フォローアップ(事後措置とモニタリング)

改善策を実行しただけで終わらせず、事後の経過を観察します。対象医師の労働時間が実際に削減されているか、健康状態や睡眠状況が改善に向かっているかを継続的にモニタリングします。状況が改善しない場合は、再度ヒアリングを行い、措置の内容を見直すサイクルを回します。


3. 推進体制の構築:産業医と管理職の役割分担

推進体制の構築において最も重要なのは、面接指導を行う「産業医(または面接指導実施医師)」と、業務調整を行う「管理職・管理部門」の明確な役割分担です。

以下の表は、それぞれの具体的な役割の違いを比較したものです。

役割・担当者

主な責務・タスク

面接指導における具体的な行動

産業医 / 実施医師

健康状態の評価と就業上の意見提出

疲労度の判定、睡眠状況の確認、ドクターストップの判断、管理部門への意見書の提出

管理職 / 管理部門

労働時間の把握と業務環境の改善実行

勤怠データの収集、対象者のリストアップ、面接日程の調整、業務の再配分(タスクシフト)の実行

ストレスチェックも面接指導も、すべて一元管理、医師の面接指導用の機能!


4. 面接指導を適切に運用する3つのメリット

面接指導を適切に運用するメリットは以下の3点です。法令遵守だけでなく、医療機関の経営を安定させるための重要な投資と言えます。

  • 医師の健康維持

    過重労働による心身の不調やバーンアウト(燃え尽き症候群)を未然に防ぎます。

  • 労務トラブルの防止

    法令を遵守することで、行政指導や罰則、将来的な訴訟リスクを回避します。

  • 医療サービスの質向上

    医師が健康な状態でパフォーマンスを発揮することで、医療安全が確保されます。と


5. Dr.JOYのシステムで面接指導と勤怠管理を効率化

面接指導の推進を妨げる最大の壁である「複雑な勤怠管理」は、医療機関向けシステム「Dr.JOY」を導入することで大幅に効率化できます。Dr.JOYは、医師の働き方改革に特化した機能を提供し、管理部門の負担を最小限に抑えます。

5.1. 勤怠管理機能:正確な労働時間の把握と自動アラート

医師の面接指導を支援する「Dr.JOY」の面接指導機能

Dr.JOYを活用すれば、スマートフォンやICカードを用いて客観的で正確な労働時間を記録できます。1か月あたりの時間外労働が100時間に近づくと、システムが対象医師と管理部門に対して自動的にアラート(警告)を通知します。

※勤怠管理の自動化を活用し、管理部門の負担軽減とデータ一元化を実現した事例動画はこちら⇩


5.2. 面接指導機能:必要なデータの一元管理

Dr.JOYは、外勤先(副業先)の労働時間を含めた通算労働時間の計算に自動対応しています。

面接指導の実施記録や、産業医からの意見書などもシステム上で一元管理できるため、ペーパーレス化が実現します。

労働基準監督署や保健所の監査時にもスムーズにデータを提出できます。

労働時間の定期チェック・面接指導の問診票や記録の記入・回収・保管を一発解決|Dr.JOY


6. よくある質問(FAQ)

Q1: 医師への面接指導を行わなかった場合、医療機関に罰則はあるのでしょうか?

A1: はい、実は罰則が設けられています。労働安全衛生法により、対象となる医師に面接指導を実施しなかった場合、医療機関(事業者側)に50万円以下の罰金が科される可能性があります。そのため、医療機関においては正確な勤怠管理体制を整えることが強く求められています。

Q2: 面接指導はオンラインでも実施できますか?

A2: はい、厚生労働省の要件を満たせばオンラインでの実施も可能です。具体的には、「お互いの表情や顔色がはっきり分かる映像・音声環境であること」や、「情報セキュリティがしっかり確保されていること」などが条件となります。

Q3: 「面接指導実施医師」になるには、特別な資格が必要ですか?

A3: 医師免許に加えて、厚労省が指定する「面接指導実施医師養成講習会(オンライン講習)」を受講し、修了する必要があります。ちなみに、産業医の資格を持っていなくても、この指定講習を修了した医師であれば担当することが可能です。



7. まとめ

医師の面接指導の推進方法は、正確な労働時間の把握から始まり、産業医と管理職の密な連携、そしてヒアリング結果に基づく業務改善(タスクシフト)のサイクルを回すことによって成り立ちます。2024年からの医師の働き方改革において、基準を超える時間外労働を行う医師への面接指導は厳格な法的義務となっています。

この取り組みを医療機関内で形骸化させないためには、Dr.JOYのような専用システムの導入が非常に有効です。ICTツールを活用して勤怠管理の自動化とデータの一元管理を行い、医師が健康で安全に働ける持続可能な医療環境を構築していきましょう。


8. 参考文献

Dr.JOYの勤怠管理のご紹介

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