

はじめに ― 病院DXは「現状把握」から
病院のDX(デジタルトランスフォーメーション)というと、新しいシステムの導入やAIの活用が注目されがちです。しかし、成功の鍵はその前段階にあります。まずは「現状を正しく把握する」こと。特に電話業務は、患者様や地域の医療関係者との重要な接点でありながら、改善が後回しになりやすい領域です。
湘南鎌倉総合病院様の調査では、1日あたり約1,250件の代表電話があり、そのうち約32%が応答されていないという結果が出ています。この数字は単なる効率の問題ではなく、患者満足度や病院の評価にも直結する深刻な課題です。
そこで有効なのが、1週間の電話入電調査です。実際の電話の流れを数値で把握することによって、課題を客観的に明らかにできます。
電話業務の“見えない負担”を数値化する
「電話がつながらない」「担当につながるまで時間がかかる」といった患者様の声は、多くの病院で耳にするものです。スタッフ側も「電話が鳴り止まない」「取りこぼしが多い」と日々感じていても、感覚だけでは改善につなげることができません。
入電調査では、件数・通話時間・内容を記録することで、
以下のような問いに答えられるようになります。
どの時間帯に入電が集中しているのか
どの内容の電話が最も多いのか
電話対応にどのくらいの時間がかかっているのか
この数値化こそが、改善の第一歩となります。
入電内訳調査票を用いた調査の流れ
Dr.JOYが提供しているAI電話では、現場で使いやすいように設計された「入電内訳調査票」を提供しています。調査票は Excel フォーマットでお渡しするため、病院ごとに項目を自由にカスタマイズ可能です。
調査表の配布と記録ルールの共有
調査開始前に、病院の担当者様に調査票を配布します。シートには時間帯ごとに枠が設けられており、件数と通話時間を記録します。
例:9:00〜10:00の時間帯に1件3分の電話があれば「3」と記入し、件数および通話分数を一目で把握できます。1週間の記録
各電話を「診察予約(初診・再診・変更・キャンセル)」「検査予約」「疑義照会」「受診相談」「その他」などの項目に振り分けます。標準項目を利用することも、病院独自に項目を追加することも可能です。集計とレポート化
調査終了後、弊社がデータを集計し、レポートとしてご提供します。時間帯別の入電件数、通話時間などを分析し、現場での優先課題を明らかにします。

〔入電調査サンプル〕
入電調査で見えてくる課題と改善の糸口
実際に入電調査を実施した病院では、以下のような気づきが得られています。
診療や検査の予約・変更に関する電話が全入電の3割以上を占めており、受付スタッフがその対応に追われて本来の窓口業務が圧迫されていた
1件の電話対応に平均10分以上かかっており、1時間に5件程度しか対応できていないことが分かった
この情報があれば、「いつ、どんな内容で電話をかけてくるのか」が明らかになり、改善の優先順位を決めやすくなります。
まとめ ― 「データで見る」から始める改善
病院DXを進める上で最も大切なのは、システム導入ありきではなく、まずは「現状を正しく知ること」です。1週間の入電調査は、現場の負担を大きく増やすことなく、病院の電話業務の全体像をデータとして可視化する手段として非常に有効です。
そのデータが、スタッフの働き方改革、患者満足度の向上、そして AI 電話をはじめとした次の改善施策につながります。
電話応答の自動化やチャネルの多様化(SMS・LINE等)を含めたアプローチを取ることで、「業務負担の軽減」や「スタッフの満足度向上」といった成果を貴院でも実現できる可能性があります。小さな一歩から、貴院らしいDXが着実に動出します。


Dr.JOY株式会社 AI電話事業部 カスタマーサクセス
森川
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