AI電話×医療トリアージAIで「受診前相談」を自動化 —2026年4月、全国提供へ― 沖縄県で実証、相談の約77%がAIで完結 病院電話相談60万件の課題解決へ ―
2026/3/30

Dr.JOY株式会社(本社:東京都港区虎ノ門、代表取締役社長・医師:石松 宏章、以下「当社」)は、沖縄県が実施する「令和7年度テストベッド実証支援事業(沖縄県補助事業)」に採択され、社会医療法人仁愛会 浦添総合病院と共同で、AI電話を活用した「受診前相談」支援サービスの実証実験を2025年11月10日~2026年2月27日の期間で実施しました。
本実証では、病院向けAI電話と医療トリアージAIを連携し、患者の症状の聞き取りから受診緊急度判定までを自動化する仕組みを検証。実証期間中、約77%の相談がAI電話で完結するなど、医療現場、特に看護師の電話対応負担軽減と患者の利便性向上の両立を確認しました。
※本サービスは、医療行為を行うものではなく、受診前の一次受付支援を目的としています
病院の電話相談は全国で1日60万件
国内では、約8,000の病院で毎日約60万件の電話相談が発生しており、1病院あたり平均25時間もの電話対応が生じています。特に「今すぐ受診すべきか」といった受診相談は代表電話に集中し、予約電話がつながりにくくなるなどの課題が生じています。
また、夜間や休日に相談先がないことから、不安を感じた患者が軽症であっても救急外来を受診するケースも少なくありません。こうした状況は、看護師が本来業務に集中しづらくなるだけでなく、医療機関の業務負担や救急医療のひっ迫にもつながっています。
受診前相談とは
【受付】:患者は受診前相談専用ダイヤルに電話。AIが内容を把握し、受付〜初期問診を支援します。
【解析・共有】:緊急度と推奨診療科を推定し、要点レポートを院内で共有します。
【運用】:AI一次受付→解析→看護師が重症度・優先度の高い相談から順に折り返します。
【基盤】:最大同時着信:100回線(ベストエフォート)/24時間対応(計画停止・保守を除く)。通話は自動でテキスト化し院内共有します。
※録音・テキスト化は当社ポリシーおよび院内規程に基づき、同意取得のうえ実施します

実証実験概要
本実証は、医療機関の電話相談における「つながらない」「取れない」といった課題を解決することを目的に、AI電話と医療トリアージAIを連携させた受診前相談支援システムの有効性を検証するものです。
患者が電話で症状を伝えると、AIが自動応答し症状の詳細を聞き取り、医療トリアージAIが緊急度を判定します。会話内容は録音され、文字起こしや要約レポートが自動生成されます。看護師はその内容を確認し、緊急度の高い患者から優先的に折り返し対応します。
本仕組みにより、看護師が受電業務に追われる状況を改善し、電話対応の負担軽減と本来業務への集中を可能にするとともに、患者が症状に応じて適切な受診行動をとれる環境の実現を目指しています。また、高齢者の利用も想定し、医療用語だけでなく沖縄の方言にも対応した音声認識調整を行い実証を進めました。
【実証期間】:2025年11月10日~2026年2月27日
【実施場所】:社会医療法人仁愛会 浦添総合病院(沖縄県浦添市)
【対象】 :同院へ電話で受診相談を行う患者および対応する看護師
【システム】:医療機関特化型AI電話(Dr.JOY)/医療トリアージAI(症状チェック・緊急度判定エンジン)
AI電話は最大100回線の同時着信に対応(ベストエフォートのため80を推奨)し、患者が電話をかけても話し中にならない環境を実現します。
実証結果
実証期間中の入電件数は753件で、そのうち580件が通話を完了しました。分析の結果、約77%の相談がAI電話のみで完結しており、AIが受診前相談の一次対応を担うことで看護師の電話対応負担軽減や患者の利便性向上につながる効果が確認されました。
<看護師アンケート結果>
電話対応の心理的負担の軽減:約43%が非常に満足/満足、約43%が普通
AI電話受診前相談サービスの満足度:約57%が非常に満足/満足、約43%が普通
という結果となり、看護師の負担軽減や業務効率化に一定の効果が確認されました。


浦添総合病院では、実証前、代表電話や予約センターからの転送も含め1日約20件の受診相談に看護業務と兼務しながら対応していました。

回線は1回線のみで、相談1件あたりの平均対応時間は約5分。看護師は通話しながら相談内容をメモし、カルテを検索して病歴や受診歴を確認したうえで、診療予約や主治医への連絡など多岐にわたる対応を行っていました。着信が重なることも多く、患者を待たせてしまう申し訳なさや「緊急度の高い患者からの電話に対応できなかったのではないか」という不安など、精神的負担も大きい状況でした。
AI電話導入後は最大100回線の同時受信が可能となり、複数の着信が同時に発生しても話し中になることなく対応できるようになりました。AIが症状を聞き取り、相談内容を整理したレポートを自動生成するため、通話内容は文字起こしや要約、録音で確認でき、手書きでの記録も不要となりました。
その結果、電話がつながらない状態で患者を待たせる状況が解消されたほか、看護師は事前に相談内容やカルテを確認したうえで折り返し対応ができるようになり、対応の正確性と効率性が向上。担当看護師の心理的負担の軽減にもつながりました。
さらに、AIが生成した相談記録を活用することで、従来約3カ月を要していた新人看護師の研修期間が約1カ月に短縮されるなど、教育面でも効果が確認されています。

実証実験で得られた医療現場からの評価
<浦添総合病院 看護師長 呉屋 さゆり様>

DrJOYの文字起こしで記録が簡素化され、さらにAIトリアージによる適所への振り分けも可能となりました。これにより看護師でしか対応できない相談の抽出もでき、業務効率化に加え患者・スタッフ双方の満足度は向上しています。また業務負担軽減により人員配置の適正化(1名→0.5名配置)に繋がり、限られた人材の有効活用できる体制が構築できました。
<浦添総合病院 入退院支援室室長 喜納 薫 様>

「受診前相談」実証実験のお話を受けた時、「これは絶対!相談する患者さんの声に答えることができるうえ、看護師の業務負担軽減につながる」と期待でワクワクしました。実際、複数の着信を同時に受信可能な為、電話がつながらない状態で患者さんを待たせることから解消されました。また、相談内容をAIが整理しレポートを自動生成するため、患者さんに折り返しの連絡をする前に、事前にカルテの確認や医師へ相談することができ、相談内容への回答がスムーズになりました。
「相談したいけど電話がつながらない」という患者さんの不安に、「AI受診相談」が患者さんの安心につながることを実感しています。
今後の展開
Dr.JOYは、本実証で得られた成果をもとに、AI電話と医療トリアージAIを連携した「受診前相談」サービスを2026年4月より正式に提供を開始する予定です。
まず沖縄県での導入を進め、将来的には全国の医療機関への展開を目指します。
また、英語・中国語・韓国語などの多言語対応の開発も進めており、外国人観光客や在住外国人も安心して医療相談できる環境の整備を進めていきます。
当社は、今後も「すべての医療従事者に、次の一手を」を理念に、医療現場の業務負担軽減と医療サービス向上を実現するソリューションを提供してまいります。
Dr.JOY株式会社 AI電話事業部 執行役員|酒井 政次 コメント

AI電話事業部 執行役員|酒井政次
受診の不安は、日中だけでなく夜間・休日にも絶えず発生し、特に小さなお子さんのいるご家庭では“今どう動けばいいか”に迷う場面が少なくありません。オンライン相談の選択肢は広がる一方で、“まずは電話で聞きたい”というニーズは依然として大きく、しかし現場では看護師や病院がひっ迫し続けてきました。
私たちは病院業務に特化したAI電話の開発で培った知見を生かし、電話のまま受診相談ができる新サービスづくりに踏み出します。
今回、沖縄県のご支援と、浦添総合病院様との実証機会を得られたことに深く感謝いたします。実証でしっかりと効果を示し、2026年4月の正式リリースへつなげることで、受診に迷う多くの患者さんと、業務ひっ迫に苦しむ医療現場—その双方の課題解決の糸口を必ず形にしてまいります。
会社概要

●本社所在地:東京都港区虎ノ門2丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー17F
●設立 :2013年11月
●事業内容 :医療分野におけるソフトウェア開発・運用 / 医療機関への医療・医薬品情報の提供
●公式ウェブサイト:https://drjoy.co.jp/
以 上









